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39回目

JUGEMテーマ:家庭

 

部屋の片付けをしていた妻が古いメガネを持っていた。

近視になって、最初に買ったメガネだという。

「これ、当時高かったのよ」と、自慢げにローゼンストックと印刻されたメガネを見せる。

今の流行からは遠く外れた地味なデザインだが、昔は高かったのだろうと想像できる。

 

 

人を大きく分けると、高価なものを買ったのを自慢するタイプと安物を買ったのを自慢するタイプに分かれるようだ。

大阪人は安物自慢が多いようだ。

私は典型的な安物自慢のタイプだ。

 

私はフランクミュラーもどきの時計をしている。

人から「良い時計をしていますね」と言われると、喜んで「これ、もちろん、偽物ですねん」と嬉しそうに言ったりする。

相手が時計好きな人だと、それで会話がはずんだりする。

 

逆に、私の妻は高価なものを自慢するタイプだ。

ローゼンストックのメガネのように、昔買った高級品の話を持ち出したりする。

妻は一人っ子で、両親からの愛情を一身に受けた。

決して裕福な家庭ではなかったが、ヴィトンだとか、グッチなんかを買ってもらっていた。

結婚する時、私はサニーの車に乗っていたが、妻は中古だがアウディに乗っていた。

 

良い物を長持ちさせて身に着ける妻と、安物を買い替えて使う私。

夫婦の間では、持ち物に対する価値観がかなり違っていたのは確かだった。

価値観の違いに反感を覚えることもあるが、対面にいる違った見方にある意味新鮮さを感じることもある。

そして、長く結婚生活を営む中で、徐々に同化していくものなのだろう。

妻は「これ、ダイソーで買った」と、100均の商品を見せてようになった。

 

8月30日、結婚記念日だった。

39年前、肝臓がんで余命を告げられた義父が出席できるように、3ヶ月繰り上げて結婚式をした。

夏も終わりに近づいた、快晴の暑い日だった。

 

新型ウィルスの感染拡大でほとんど外食をしていなかったが、久しぶりにふたりで記念日に外食をした。

ドライブがてらに行けるところを選んだ。

JR須磨の駅前にあるフランス料理のレストランだった。

 

須磨の海水浴場は子供を連れて、何度か訪れている。

今年の海水浴場は全く様相が違う。

通常夏休みの終わりで、まだ家族連れがあふれているのだが…。

コロナ禍で、海の家が無かった。

 

 

日曜日の昼というのに、レストラン客は私たちだけ。

広々とした2階で、夫婦だけのランチを食べた。

創作料理に舌鼓を打ちながら、結婚当時の思い出話をした。

 

あと何年、ふたりで記念日を祝えるだろうか。

ふと、頭をよぎった。

 

author:金ブン, category:人生, 09:50
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