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スイカの思い出

JUGEMテーマ:日記・一般

 

今年もスイカを何度か食べた。

夏はやはり、このみずみずしい甘さだ。

 

私の実家ではスイカを食べるとき、扇型に切り分け、皮の部分を持ってかぶりついていた。

夏休みに田舎(母の実家)へ遊びに行った時、縁側に座ってスイカにかじりつき、種を庭へ向かって吹き飛ばした。

夏の思い出のひとつだ。

結婚してからは妻の実家の風習で、実の部分を切り分けて食べるようになった。

種は爪楊枝で取り出す。

もう、この習慣が長く、身についている。

 

 

今週、スイカを食べながら、ふと大学時代のことを思い出した。

入学してすぐ、私はアーチェリークラブに入部した。

なぜ、アーチェリーだったのか、思い出せない。

初めて校舎を訪れた時、誘われるまま入部することになったのだろう。

今思えば、そのころの私は大学で学ぶという意識が希薄だったと思う。

とりあえず大学生になったので、卒業後はある程度名の知れた会社へ入社することを約束されたように感じていた。

語学をマスターし、その能力を利用して社会人として活躍するというような志は無かった。

だから、適当な運動クラブで身体を鍛えて、青春を満喫することだけしか頭になかった。

 

アーチェリーは神経を集中することが一番大切なスポーツ。

私は雑念が多く、集中力が乏しい人間だった。

入部してすぐ、このスポーツに向かない性格であることを知った。

練習する気持ちもかなりいい加減だったと思う。

それでも、京都での下宿生活が暇だったので、練習場に足を運んでいた。

 

夏合宿がやってきた。

場所は練習場のある会館だった。

合宿が終わりに近づいたころ、全員参加の宴会があった。

そこで、毎年1回生がやらされる儀式なるものがあると知らされた。

先輩部員の前で、スイカを食べる儀式だ。

食べるだけなら何でもないことだが、扇型に切られたスイカの皮すれすれまでかじらなければならないのだ。

スイカは赤いところが甘いだけで、皮近くの白い部分は硬く味がない。

私たち新人部員は先輩たちのヤジと嘲笑が飛び交う前で並び、ガリガリとかじる。

真剣にスイカかじりに向き合っている部員もいれば、食べ進めない部員がいた。

数人が逞しく食べ切り、ペラペラになった皮を先輩に見せていた。

都会出身より地方出身者のほうが逞しかったように思う。

私は赤い部分を食べきると、その後ほとんど食が進まなかった。

結局、一番食べ残したのは私で、先輩たちから「根性なし」とのレッテルを貼られ、罰ゲームに芸を求められた。

どんな芸を披露したのか記憶にないが、つまらない一発芸で冷笑の的にされたように思う。

 

民主的な雰囲気の大学だったが、スポーツクラブにはかすかにバンカラを装ったバカ遊びが残っていた。

それ以来、スポーツクラブの生活に嫌気がさして、退部を考えるようになった。

秋の新人戦を散々な成績で終え、翌年2月、浅間山荘事件のテレビ放映が続いていた日、退部した。

 

スイカを食べていた時、大学生活のことが思い出された。

退部後、アルバイトや麻雀に明け暮れる日々だった。

将来に目的をもってスキルアップに努めることはなかった。

それなりに楽しい思い出をたくさん作ることが出来たが…。

 

人生の第4コーナーを回って、あれこれ昔のことを思い浮かべる。

人生の中で行ったそれぞれの選択は自分にとっての最良の選択だった。

そう思うようにしている。

author:金ブン, category:人生, 10:09
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