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人に会うこと

JUGEMテーマ:日記・一般

 

今週、いとこが亡くなった。

脳腫瘍で2年間闘病していた。

母の弟の長男で、確か年齢は50歳前後だったと思う。

今日(4月4日)がお通夜で、明日葬式だと連絡があった。

この時期、新型コロナウィルスの影響で、葬式が自粛されるケースもあると聞く。

両親の思いもあって、平常通り葬儀会館でするようだ。

連絡をくれた親戚の叔母さん(80歳)は、「葬式に参列するのが恐い」と言っていた。

私も妻と参列するが、お参りをさせてもらったらすぐに引き上げるつもりだ。

 

 

今年の初めのことだが、大学の友人SE君から連絡があった。

しばらく会っていなかったので、気になっていた。

元気にしているかなと思っていたが、元気ではなかった。

昨年の夏に肝臓がんが見つかって、肝臓の一部と胆のうを切除したという。

 

もう60歳半ばを過ぎた年齢になったのだから、同年配の友人が大病を患うのは珍しいことではない。

SE君の場合、ガンの転移が見つかって、医者から命の期限を切られたというのだ。

SE君は、「久しぶりに友人たちに会いたいな」と、私にいう。

友人たちと連絡を取り合って、2月初めに、親しかった友人3人で自宅を訪ねた。

 

お見舞いなのでアルコールは遠慮していたのだが、ビール、酒やおつまみをごちそうになった。

大学時代の思い出話は楽しかった。

抗がん剤の投与が始まったばかりで、SE君の体調が比較的良い様子で、一番よく酒を飲んでいた。

SE君は普段から弱気な姿を余り見せることが無かったが、陽気な会話の中に一抹の寂しさが感じられるのだった。

SE君と別れて、帰途に着いた僕たち3人は「会えて良かったな」と言い合った。

会うのが最後になるかもしれないと思うと、切ない気持ちになった。

 

その頃はまだ新型コロナウィルスの影響がそれほど深刻ではなかった時期だ。

それから1か月過ぎると、感染者が徐々に増加して、世の中の緊迫感が高まってくる。

 

もう一人、連絡が取れないで、気になっていた人がいた。

現役時代の先輩SA(76歳)さんだ。

帰り道が同じ方向なので、良く一緒に帰宅した。

帰る途中、梅田のJR高架下にある飲み屋に立ち寄った。

私が退職してからも、阪神競馬場で出会ったりしていた。

数年前、ネット投票で買ってあげた馬券が67万円当たったことがあった。

 

SAさんは半年ほど前から連絡が取れなくなっていた。

携帯にメールしても返信がなく、通話も通じなくなっていた。

自宅に何度か電話しても、ずっと留守電になっていた。

病気で入院されているのではと気になり、先日西宮の家を訪ねた。

 

以前、何度かお宅に訪問したことがあった。

公団の3階だった。

不在の時のために、手紙を用意していた。

インターフォンを鳴らしたが、返事がなかった。

やはり留守なのかと、私はポストに手紙を投函した。

すると、室内から音がして、扉が開いた。

 

「○○君(私の名前)か」と声がして、SAさんが現れた。

「元気でしたか?」と私が訊くと、「元気やで」と答えた。

白い髭が長く伸び、まるで仙人のような様相だった。

SAさんは私を室内に招き入れてくれた。

部屋に入ると、ミニチュアダックスフンドのクッキーが私の足にまとわりついた。

クッキーは、以前池にハマっていたのを、SAさんが助けて警察に届けた。

警察が保健所に持っていくというので、SAさんは保健所で処分されるのが可哀そうに感じ、自宅で飼うことにした。

それから、SAさんはクッキーを溺愛している。

「クッキーも元気だったんですね。どうしてたんですか?何度も連絡したんですが、繋がらないので」と、私が言うと、「すまんな」と何度も謝る。

携帯電話のバッテリーが故障して、連絡が取れなかったという。

自宅の固定電話にも電話していたのに出なかったのは不思議に思ったが、それ以上追求しなかった。

「携帯の会社に行って修理しないといけないので、早めに行こうと思う、直ったら、また連絡するわ」と言うのだが、半年以上も契約をしたまま故障した携帯を持っていることが理解できなかった。

認知症に罹っているのではと疑ったが、同居している奥さんと息子さんは元気だと言い、奥さんはパン屋さんにパートで勤めていると言う会話は平常だった。

ただ、会話中、チェーンスモーカーのようにタバコを3本吸い続け、山盛りの灰皿に吸い殻を重ねていた。

15分ほど話をして、私はSAさんの家を出た。

 

家に戻ってから、SAさんとの会話や態度を思い起こして、訪ねたことが良かったのかどうか疑問に思った。

会話もほとんど私の言ったことに対して、抑揚なく答えるだけだったし、感情の動きが感じられなかった。

会いたいと思うのは私の独りよがりで、SAはもう会いたくなかったのではないか。

携帯が繋がらないのは仕方がないが、固定電話が鳴っているのを無視しているのはやなり変だった。

 

今週、志村けんが新型コロナウィルスで亡くなるニュースが社会に衝撃を与えた。

私の歳とそう変わらない70歳だった。

漠然とある死というものがゆっくりと近づいてくるような気持ちになる。

 

いま会える人に会っておかないと後悔しそうな気がするのだが、もう心の中で整理してしまった人もいるのかも。

author:金ブン, category:人生, 09:45
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