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寅さんの映画

JUGEMテーマ:映画

 

母親はテレビドラマをほとんど観なかったが、「男はつらいよ」は毎回観ていた。

50年前、私が高校生の時に、このドラマはテレビで放送された。

母親は渥美清が好きで、放送を楽しみにしていた。

唯一、家族が一緒に観ていたドラマだった。

私たちが暮らしていたのが下町のパン屋で、ドラマの舞台が同じ下町風情だったに共感を覚えた。

 

放送は寅さんがハブに噛まれて死んでしまい、あっけなく最終回になった。

その後すぐに映画化され、毎年盆と正月になると上映された。

松竹にとってはドル箱のシリーズだった。

 

私はレンタルビデオやテレビ放映でほとんど観ているが、社会人になってから1度だけ映画館に足を運んだことがあった。

会社の先輩から会社の帰りに誘われたのだ。

先輩は愛媛県の大洲の出身で、映画の番宣で寅さんが大洲を旅するシーンが登場していたからだった。

観終わった後、先輩は故郷のシーンにいたく郷愁を感じられていた。

日本人の誰もが懐かしく思い出される、田舎の自然や祭りの風景が映し出される。

私も、団子屋で繰り広げられるアットホームなシーンを観ると、幼いころに過ごしたパン屋での風景を思い出す。

 

私は葛飾柴又を一度だけ訪れたことがある。

30歳ごろのことだ。

私が訪ねたころ、「男はつらいよ」は盆と正月に封切りされる人気映画だった。

 

勤めていた旅行会社が30周年になるとき、記念誌を製作した。

私は旅行の印刷物を制作するのを担当していたので、その記念誌の制作にも携わっていた。

記念誌に掲載する営業所の写真を撮影するため、銀座の営業所へ出かけた。

東京のカメラマンを手配していて、私が東京へ出張して撮影に立ち会った。

朝一の飛行機で出かけて、撮影は午前中に終了した。

楽な出張だったのを覚えている。

帰りの飛行機は最終便だったので、かなり時間が余った。

どこか東京見物でもして帰ろうと考えて、葛飾柴又を思いついた。

 

柴又駅で降りて帝釈天参道を歩くと、映画「男はつらいよ」に登場する場面が出てくる。

渥美清とさくらが別れる柴又駅のホーム、笠智衆演じる御前さまが登場する帝釈天の山門、叔父ちゃんと叔母ちゃんの団子屋の下町情緒は懐かしい故郷に帰ってきたような気分が味わえた。

 

年末、封切られた「男はつらいよ 寅さんおかえり」を観た。

小説家になった満男が葛飾柴又で過ごした昔を懐かしく振り返る場面で構成されている。

時折挟まれている過去の映像が懐かしい。

太地喜和子、京マチ子、新珠三千代、大原麗子…、次々とマドンナを演じた女優の映像が流れる。

「ああ、この人も亡くなったな」と思いながら観ていると、時の流れを感じずにはいられない。

 

追記:映画を観る前トイレに行ったのに、映画の上映中に2回も小便で中座した。歳を取って、とにかく小便が近くなった。

author:金ブン, category:映画鑑賞, 09:16
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