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旅行の世話役

JUGEMテーマ:旅行

 

私の参加している文化財ボランティアの会では、毎年秋に日帰りバス旅行を実施している。

大型バス1台にチャーターし、45人程度で出かける。

出かける先は文化財のある近郊の観光地だ。

ここ数年は兵庫県の観光地に立ち寄っている。

 

兵庫県の観光地に行くには訳がある。

県が指定した箇所を1か所立ち寄ることで、県から補助金が出るのだ。

昨年はそれを利用して、加西・福崎方面へ出かけた。

 

旅行費用は5千円と安く設定されている。

それは補助金や会費からの支援があるからだ。

 

ところが、会費が安いのだが、毎年参加者が減少している。

会員が減少していることや会員が老齢化して健康上の理由で参加できない等が主な理由だ。

バス代が安くなる12月に実施していることも参加者が減少する要因のひとつだろう。

寒さに弱い老人は9月や10月の気候が良いシーズンに旅行がしたいのだ。

 

そのため会員だけでは半分の20名程度しか集まらないので、会員の家族や知り合いの参加を認めている。

それで、何とか最低催行人員の40名以上が確保でき、実施されている。

 

会の運営を決定する幹事会では会員の参加者が少ないので、日帰り旅行はもう止めるべきだとの意見が出た。

会計を担当する幹事からは会員以外の人が参加する旅行に、会費が使われるのはいかがなものかとの意見も出る。

実行するなら、受益者負担として会費は出さないことにすべきとも。

 

結局、旅行費用には会費を補てんしないことに決まった。

それでは会費がぐっと上がるので、もっと参加者が少なくなることが想像される。

 

私も参加する幹事会で、今年の日帰り旅行をするかどうかが検討された。

会員の参加者が集まらないのなら中止するほうが良いとする意見が大半を占めた。

だが、一部の幹事、特に役職(会長・副会長)や古参の幹事から、せっかく毎年やっている行事だから募集してみるべきだとの意見が出る。

それに、一番大切な旅行の世話役がいない。

旅行をやるべきだという人の中からも、世話役を引き受ける人は出てこない。

もちろん、私は世話役幹事に立候補することもなく、中止する旨の意見に同調した。

 

結局、世話役が出てこないので、幹事会の結論として今年の日帰り旅行はやらないことになった。

 

ところが、日帰り旅行をやるべきだという役職の人から自宅に電話が掛かってくる。

「旅行の世話役をやってもらえないだろうか?」との依頼だ。

「幹事会ではやらないと、決まったのではないのですか」と私が言うと、その人はせっかく続けてきた行事だから続けたいという。

旅行を楽しみにしている人もいるし、会の行事を取りやめていくと会の運営が徐々に廃れていくというのだ。

熱い思いを伝えながら、私に世話役を依頼してくる。

ご自身がやれば良いじゃないですかと返すと、3年連続でやっているので、是非新しい人にやってもらいたいという。

結局、<考えておきます>と曖昧な返事をして、受話器を置いた。

 

会費からの援助が出ないとなると旅費は高くなるし、余計に参加者が集まらないだろう。

到底、旅行が成立するとは思えなかった。

幹事会の大勢は、会員の参加が少ないのだから、旅行する意味がないという意見だった。

 

どうみても、旅行の世話役は大変そうだ。

年寄りたちの意見を集約するのも面倒だ。

 

断るつもりだった。

だったのだが、引き受けてしまった。

 

私は大学を卒業して旅行会社へ入社したが、広告代理業の部署に配属され、旅行の仕事を経験することはなかった。

それに、町内会や会社の旅行に参加したことはあるが、世話役をしたことがなかった。

一度くらい旅行の世話役をやってみてもいいかも、とふと思ってしまったのだ。

それに、最低催行人員を決めて集まらなかったらやめればいいのだからと、安易に考えていた。

 

幹事会の1週間後に、会員の全員が参加する定例会があった。

私に世話役を勧めた役職の人は旅行のことを発表するつもりでいた。

幹事会でやめると決定したことを、私が世話役を引き受けたので催行することをみんなに公表しようとしたのだ。

私は世話役を了承する時、「来月の幹事会で再度幹事に諮ってから、決定しないといけませんよ」と言っていたのだが、その人は定例会の席で発表をしてしまった。

 

驚いたのは幹事たちである。

幹事会で旅行の中止が決まっていたのに、突然実行することになっていたのだから。

幹事の人たちは「なんで、突然こうなったの?」と、ヒソヒソとつぶやいていた。

 

会計を担当する幹事の人が私のところへ来て、「なんで、引き受けはったん?」というので、私は「先輩に頼まれて、あんまり固辞するのも失礼かと思って…」と応えた。

すると、「私は参加しないし、会計する人がいないので、大変ですよ」と、小言のように言い放った。

他の幹事にも、「反対してたのに、なんで、世話役を引き受けたの?」と言われる。

 

今週行われた幹事会では、会の運営方法に異議を噴出する始末。

 

なんか、面倒なことに足を突っ込んでしまったようだ。

author:金ブン, category:旅行, 09:17
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