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うつ病九段

JUGEMテーマ:読書

 

木の実ナナ、武田鉄矢、岡村隆史、ユースケ・サンタマリア、高島忠雄、丸岡いずみ…。

これらの芸能人は「うつ病」に罹患したことを公表している。

人気商売の有名人であるが故に、多くのストレスを抱えているようだ。

 

プロ棋士の先崎学は昨年の9月から今年の4月から将棋のトーナメントから休場していた。

休場当時「一身上の都合」ということだった。

好きなトッププロのひとりだったので、突然の休場が気になっていた。

 

NHK将棋トーナメントでの先崎棋士の解説は分かりやすく、面白かった。

特に5年前のトーナメントでの、準決勝羽生・郷田戦の解説は印象に残っている。

羽生棋士が見事な詰み筋を見つけた時、「やっぱり、羽生さんは天才ですね」と何度も感心していた。

自分もトッププロなのに、同年輩の棋士を褒め上げる姿は微笑ましくもあった。

その性格が素直で大らかなのだろうと感じたものだ。

文章も上手く、将棋関係以外でもたくさんの本を出版している。

マンガで大ヒットし映画化された「3月のライオン」は先崎が監修している。

 

休場してしばらくしてから、ネット上では休場の原因が精神的な病気だと書かれていた。

 

トップ棋士の休場といえば、4年前女流棋士の里見香奈が話題になっていた。

女流タイトルを独占していた棋士の突然の休場だったので、ストレスによるうつ病ではないかと囁かれていた。

(里見香奈棋士は8ヶ月後に復帰して、次々にタイトルを取り返して復活している)

 

陽気で明るい性格に感じられた先崎棋士が精神的な病気に罹ったというのは意外に思えた。

その先崎棋士が今年の7月出版した本が話題になった。

本の題名は「うつ病九段」で、副題に(プロ棋士が将棋を失くした1年間)とあった。

突然うつ病に罹った将棋のトップ棋士が体験した日々の出来事を克明に記している。

 

幼い頃から将棋を初め、天才と言われながら将棋界の頂点を目指して、駆け登っていった。

ずば抜けた成績を残しながら常に注目を浴び、先崎棋士は人々から賞賛される。

出版した本も売れ、話題映画の監修もする。

 

それが、6月23日のことだ。

朝食後突然、頭が重くなるのを感じる。

すぐに治ると思っていたが、それ以後1週間、頭はどんどん重くなるばかりだ。

「これはおかしい」と自覚するようになる。

だんだんと寝付きが悪くなり、眠れなくなっていく。

 

予兆はあったという。

その頃、将棋界は「不正ソフト使用疑惑事件」で揺れていた。

将棋連盟の会長が同年代の佐藤棋士であったので、様々な相談に乗っていた。

また、映画の監修や執筆活動などで、多忙を極めていた。

 

<胸が苦しくなる症状が出るようになり、横になっていると、無性に胸がせりあげてくるような感覚が襲ってくる。>

<胸が苦しくなるとともに、頭が重くなる。常に頭の上に1キロくらいの重しが乗っているような感じで、この重しは横になっても取れない。>

<ひたすら深呼吸をする。ゆっくり吐いて、ゆっくり吸って。しかし、どんなに深呼吸しても、頭の重さと胸の苦しさは減ることが無かった。>

 

やがて、死のイメージに取り憑かれるようになる。

 

<頭の中には、人間が考える最も暗いこと、死のイメージが駆け巡る。高い所から飛び降りるとか、電車に飛び込むなどのイメージがよく浮かんだ。>

 

<電車に乗るのが怖いのではなく、ホームに立つことが怖かった。毎日何十回も電車に飛び込むイメージが頭の中を駆け巡った。>

飛び込むというよりも、吸い込まれるというイメージなのだそうだ。

<健康な人間は生きるために最善を選ぶが、うつ病の人間は時として、死ぬために瞬間的に最善を選ぶ。脳からの信号のようなもので発作的に実行に移すのでないだろうか。>

 

棋士は頭脳を使う仕事だ。

うつ病が進行すると、全く頭が働かなくなる。

論理的な能力が衰え、判断力が低下する。

プロ棋士は棋力を養うために、詰将棋をする。

プロ棋士になると、十数手詰程度なら容易に解いてしまう。
先崎棋士の場合、アマチュアでも解けるような7手詰が全く解けなくなってしまったという。

<うつ病は心の病気ではなく、脳の病気なのだ。>

 

幸運と言うのは変なのだが、先崎棋士にとって、実兄が精神科医だったことが良かった。

兄の助言で、うつ病を克服する時間が早まったと云えるだろう。

今年の4月からプロ棋士として復帰し、順位戦トーナメントで将棋を指せるまでに復活している。

 

現在、日本では15人にひとりがうつ病に罹って、世界中では3.2億人がうつ病を発症し、年間80万人が自殺しているという。

<オトナの雑学>に書いてあったが、今健康増進効果があると注目されているブロッコリーはうつ病にも効果があるらしい。

ブロッコリーの栄養素である<スルフォラファン>という成分は精神面にも効果を発揮することがアメリカの研究で報告されているという。

 

私は精神面で弱いところがあると自覚している。

すぐにくよくよと考え込むし、瑣末な出来事を気にして睡眠が浅くなる。

 

玉ねぎは嫌いだが、ブロッコリーは野菜の中で一番好きだ。

最近、ブロッコリーを良く食べている。

author:金ブン, category:読書, 09:50
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