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深夜の医療センターで

JUGEMテーマ:日記・一般

 

アメリカテキサス州でのこと。

女が時速160キロで警官とカーチェイスを繰り広げる映像を見た。

追い詰められた女は赤ちゃんが眠るゆりかごを持って、逃げる。

 

 

世の中にはとんでもない女がいるものだ。

どんな境遇に置かれると、このような行動を引き起こすのだろう。

女の行く末より、この女に育てられる赤ちゃんの将来が気にかかるのだ。

 

先日の夜中、義母が体調を悪くした。

午前1時すぎ妻に電話があり、嘔吐とめまいがするという。

救急車はイヤだというので、妻が車で救急センターへ連れていくことになった。

私も同行した。

 

午前2時ごろ、総合医療センターに着いた。

深夜で真っ暗なビルの1階に、救急の入口を示す看板が赤く輝いていた。

予め電話していたので、受付で手続きをすると、すぐに医師が診察してくれた。

義母が診察してもらっている間、私は受付前の長椅子に座っていた。

 

子供を連れた母親やサラリーマン風の男性が受付に現れて、診察を待っていた。

突然そこへ、茶髪のヤンキー女が現れた。

Tシャツにパジャマの長ズボン姿で、大きめのゴム草履を履いていた。

左目を押さえながら、「目が痛いねん。診て」と受付で荒っぽく言う。

受付の女性は「いつから」「どんなふうに」「持病は」とか、丁寧に訊く。

女は邪魔くさそうに、それぞれの質問に答える。

受付の女性は冷静に、優しく応対している。

女のぞんざいな態度に、当事者でもない私はいら立ちを感じた。

 

「な、ティッシュちょうだい」と、ヤンキー女が言うと、受付の女性がティッシュの箱を受付のテーブルに置いた。
女は数枚ティッシュを取って椅子に座り、目を拭いていた。

すると、使ったティッシュを受付のテーブルに投げるように置いて、ぶらりと部屋を出ていった。

くしゃくしゃになったティッシュの白さがやけに目に付いた。

 

しばらくして、再びヤンキー女が現れた。

「まだか」と受付の女性に言いながら、部屋をウロウロと歩きだす。

「こら、じっとしとらんかい」と言いたいところだが、部屋の外でコワイおじさんが待機していそうなので、止めた。

順番が来て、診察室に入った女はすぐに出てきた。

眼帯をすることもなく、受付の前を通り抜け、部屋を出て行ってしまった。

受付で診察料を清算する様子も無かった。

不思議なのだが、受付の女性はヤンキー女を呼び止めることもしなかった。

妻が病院に連絡した時、<救急医療は保険が適用されないので初診料として5千円が必要>と云われていたのだが…。

 

義母の検査と診察が終わった。

重篤な病気でもなさそうで、夏の疲れか、熱中症ではないかという診断だった。

 

午前3時すぎ、真っ暗な駐車場から車を出して、帰途についた。

病院を出てすぐの交差点で、信号が変わるのを待っていた。

眠い目をこすりながら車窓から外を見ていると、ヤンキー女が舗装された歩道にいた。

薄暗い中を、ひとりふらふらと歩いていた。

それは風に飛ばされた小枝のように見えた。

 

この女はどんな家庭環境で育ったんやろ。

 

♪やるせない 夜の街 ため息に うるむ灯♪

 

この時なぜか、加山雄三が歌っていた「君が好きだから」を思い出して、口ずさんだ。

<やるせない>という言葉を、初めて知った曲だった。

author:金ブン, category:日常の出来事, 09:52
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