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記念館で涼む

JUGEMテーマ:日記・一般

 

今週はとにかく暑かった。

こんな時、涼めるところはスーパーマーケットだ。

近くのスーパーのフードコートは平日ガラガラ。

夏の昼間は本を持って、フードコートに出かける。

ところが、祝日となると、涼みの客が多数集う。

 

他に、涼しくて人が少ない場所は無いものか。

思い付いたのが、芦屋市にある「谷崎潤一郎記念館」。

暑い日には閑散とした美術館や記念館に限る。

美術や文学は清涼感を満たしてくれる。

 

 

以前から神戸に行く時、この近くを通っていて、一度行ってみたいと思っていた。

谷崎の小説は「痴人の愛」を読んだ記憶がある。

高校生の時だった。

スケベそうな小説なので読んでみたが、若輩者には大人びていて理解できなかったよう

だ。

(そこ頃、「痴人の愛」が映画化されて、安田道代が主演のナオミ役を演じていた。

中学生の時、安田道代と同姓同名の女生徒といて、かなり美人と評判だったので、余計に覚えている)

 

谷崎潤一郎といえば、高校生の現代国語の先生が谷崎の甥だった。

2年生か、3年生の授業で、教わったのを覚えている。

顔は谷崎潤一郎に良く似ていた。

伯父さんなのだから、当然なのだが。

 

 

谷崎は箱根で関東大震災に遭い、芦屋に移り住み、以後20年関西で居を構えている。

明治末期から昭和40年まで執筆活動を続け、近代日本文学の代表的な作家と評価されている。

3度の結婚をして、女性の題材にした妖しい耽美的な作品が有名だ。

人間嫌いだった谷崎は芥川龍之介と親交があったということで、9月まで「谷崎×芥川―人間的な、余りに人間的なー」という特別展示をしていた。

 

庭園は晩年住んでいた京都の「潺湲(せんかん)亭」を模したものだそうで、落ちついた佇まいだった。

何より見学者が少なかったのに、癒された。

(65歳以上は入場料が半額だったのにも、癒された)

 

残念ながら、わが町伊丹にはゆかりの文学者が少ない。

江戸時代の俳人上島鬼貫が伊丹の生まれなので、俳句の町として歴史がある。

駅前には「柿衞(かきもり)文庫」は俳句に関する収蔵品が数多く収められており、俳句を学ぶ人たちにとっては有名な施設だ。

 

小説家といえば、谷崎潤一郎と同年代の作家である梶井基次郎が伊丹に住んでいたことがあった。

昭和5年から約1年間、肺結核に罹った梶井は伊丹の千僧にあった兄の家で療養生活を送っていた。

昭和7年、31歳で亡くなっている。

文学碑が旧西国街道近くの公園の片隅に建っている。

 

 

碑には日記の一文が書かれている。

 

五月六日
庭にはイチハツが盛りを過ぎ、平戸がさきはじめ、
薔薇は日光の下にその新しい芽をうな垂れてゐる。
風は南西、よく伸びた南天の若葉をそよがせて、
部屋のなかへ吹き抜けて来る風を楽しんでゐると、
どこか気持ちのよい温泉へでも来てゐるやうな気がする。
かなめの垣がまた赤い芽を吹いている。

 

梶井基次郎の「檸檬」を読んだのは40年以上前だ。

読んだ印象は<奇妙な雰囲気>で、さっぱり理解できなかった。

最近再度読んでみたが、繊細過ぎて私には理解できなかった。

 

暑さが度を越して、小説を読む気分にならない今日この頃である。

author:金ブン, category:日常の出来事, 09:02
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