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わが家の住宅事情

JUGEMテーマ:家庭

 

一生の中で、最も高価な買い物は<家>だ。

土地と建物を含めた買い物を、現金で買える人はほとんどいない。

長い人生の大半、ローンという重石を背負わないといけない。

 

わが家は阪神大震災の時、半壊の指定を受けた。

その頃、尼崎でパン屋をしていた両親はすでに70歳を過ぎていた。

もうそろそろ隠居させて、一緒に住もうと思っていた矢先だった。

 

二世帯住宅を建て、両親はパン屋を引退して同居した。

3階建にしたので、建築費がかなり高くなった。

当時の私の安月給では全額住宅ローンを背負うのは厳しい。

当時ローンの利率は4.3%だった。

所有権を分割して、同居する父親から3分の1の援助をもらった。

 

元々土地は昭和45年に父親が購入している。

昭和45年、私はまだ高校生だった。

その頃土地の周辺は田畑に囲まれていた。

やがて、この辺りもベッドタウン化が進み、分譲が始まっていた。

当時、坪約8万円程度だったという。

 

6年間、その土地は家を建てること無く、放置してあった。

昭和51年に父親がその土地に家を建てた。

私が社会人になって2年目だった。

周辺には住宅がぎっしりと建ち、近くにイズミヤがオープンしていた。

 

両親が尼崎でパン屋を続けたので、新築の家は私が結婚するまでひとりで暮らしていた。

近所の家庭では私の家より狭いのに、家族4、5人が住んでいた。

一軒家にひとり住んでいたのだから、贅沢なことだ。

友達を招いてドンチャン騒ぎしていた私は、近隣の人たちから道楽息子と見られ、冷たい視線を浴びていた。

 

社会人になってから6年目に結婚して、二人の子供が生まれた。

そして、神戸大震災で半壊するまで、その家で暮らしていた。

 

震災後3階建を建て、私の両親と私の家族4人の暮らしが始まった。

しかし、しばらくして母親が認知症に罹り、両親は岐阜に住む姉の家へ引っ越していった。

私たち4人家族の暮らしになった。

 

将来、娘は結婚してこの家を出ていく。

そして、息子が結婚して所帯を構えることになるだろう。

いずれ、息子夫婦は私たちと同居するかもしれない。

いろいろと青写真を描いてみるが、人生は何が起こるかわからない。

 

息子が15歳で亡くなった。

娘がこの家に住まないかぎり、将来この3階建に住む人は居なくなってしまう。

3年後、娘は高校時代の同級生と結婚し、家を出た。

 

息子の死から6年後、岐阜で暮らしていた母親が亡くなり、父親がわが家に戻ってきた。

それ以後、92歳の父親と私たち夫婦との3人暮しが続いている。

 

娘婿の会社は外資系で、異動が多い。

転勤族だ。

最初広島勤務だったが、1年も経たないうちに福岡に異動し、その1年後に現在の宮崎勤務になった。

3年の間に3回も転勤している。

転勤が多いと、子供たちが今後何度も学校を変わらなければならない。

そこで、娘たち夫婦は関西に帰ってくる決心をした。

娘婿が単身赴任することに決めたのだ。

 

娘婿の会社では、家族から離れて単身赴任を選択している社員が多い。

会社は単身赴任する社員ための福祉が行きとどいているという。

たとえば、月に数回の帰宅に対して旅費を負担するとか。

 

娘が孫たちを連れて関西へ戻ってくるとなると、住宅をどうするかが問題になる。

私たち夫婦と父親が暮すわが家で、3世帯が住むのは少し無理がある。

当面、賃貸マンションで暮らしたらどうかと勧めたのだが…。

 

日本人の根底には不動産神話があるようだ。

不動産さえを持っていると、安心できるような…。

 

娘たち夫婦は若いだけに、勢いがある。

いろいろと考えたあげく、結局、分譲住宅を買うことを決めた。

伊丹、宝塚、吹田、池田あたりの土地を探し、万博公園近くの土地を取得した。

土地が決まると、若者夫婦の行動は早い。

工務店を決めて、新築住宅建設に向かって突き進んでいく。

高額の借金を背負うことになるのだが、一生に一度の買い物を目の前にして、夢は膨らんでいくばかりだった。

 

3月末に家は完成し、娘たちは宮崎から移り住む。

すると、幸いにも娘婿が大阪に転勤になった。

関西への転勤願いを出していたのだが、会社が認めてくれたのだ。

 

先週の土日を利用して、娘たち家族が帰ってきた。

家族が揃って、家の壁塗りをするためだ。

そんな儀式があると、工務店がいう。

 

娘婿の両親と私たち夫婦も参加して、壁塗りをした。

 

 

新居を前にして、娘たち夫婦と孫たちは楽しそうだった。

やがて、新居は娘たちの安住の地になっていくのだろう。

人生で一番幸せな時間なのかもしれない。

 

 

最近、私たちの自治会内に空き家が増えた。

子供たちが家を出て、やがて夫婦が亡くなり、住む人が居なくなってしまったのだ。

現在、全国に800万戸の空き家があるという。

そして、15年後には3戸に1戸が中古の空き家になるといわれている。

わが家もその運命をたどるかもしれない。

 

 

 

author:金ブン, category:家庭の話題, 09:48
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