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孤独を楽しむ

JUGEMテーマ:日記・一般

 

今週のテレビはどのチャンネルもフィギアやスピードスケートのニュース一色だった。

勝者の美談に涙したが、さすがに腹いっぱいになった。

 

先週英会話教室はちょうど男子フィギアスケートのフリー演技が行われている時間だった。

授業中、ひとりの男性がスマホでメダル獲得のニュースを見て、「日本は金銀のメダルを獲得しましたよ」という。

生徒の「老老男女」たちは拍手で反応する。

先生は授業を中断されたことを怒ることもなく、オリンピックの話題を授業に取り上げていた。

 

授業が終わって、老女たちとスーパーの休憩所を陣取って、いつもの井戸端会議をする。

話題は爽やかなオリンピックの美談ではない。

ひたすら、老いから起こる体験談だ。

 

80歳過ぎの老女が入歯を失くした話をするのだった。

その女性は家で入歯を失くし、以前していた古い入歯を引っ張り出して、付けていた。

明石家さんまのような出っ歯を見て、私は思わず笑いそうになった。

その歯でカラオケの発表会に出て、飛び出しそうになる入歯を押さえながら唄っていたら、観客席から笑い声が聞こえたと楽しそうに話す。

笑われようが、そんなことを気にしない。

 

老女5人の内3人は旦那に先立たれて、一人暮らしだ。

後期高齢者になっても英会話教室に通うくらいだから、みんな前向きで明るい。

むしろ、独居であることを楽しんでいるかのようだ。

旦那の束縛から解放されて、自由を満喫している様子。

近くに子供や孫が暮しているから、安心している向きもあるが…。

 

今年の1月、イギリスでは新たに「孤独担当大臣」を任命したという。

孤独という個人的な課題に、なんで大臣がいるのだろう。

なんでも、多くの人が直面している「現代の暮らしの悲しい現実」に対処するためとのこと。

報道によれば、メイ首相は「わが国の社会、そしてわれわれ全員が抱える孤独という問題に向き合い、高齢者や介護者、愛する人を失った人々──話をする相手や自分の思いや体験を分かち合う相手がいない人々が直面している孤独に対し、行動を起こしていきたい」と述べたという。

英国の人口6560万人のうち900万人以上が常に、もしくはしばしば、孤独を感じている。

人間、孤独になると、いろいろと良からぬことを考える。

若者たちは孤独から疎外感を感じて、テロに走ったりする。

イギリスでは頻繁にテロなどの破壊行為が生じている。

その経済的な損失も大きいのだ。

 

井戸端会議の老女たちにそんな深刻な孤独は見られない。

旅行、英会話、書道、カラオケ、料理教室などなど、毎日忙しく動き回っておられる。

当然、将来の健康(ガン、認知症など)に対する不安は尽きない。

そんな不安を払しょくするかのように、良くしゃべり、良く食べ、良く笑っている。

 

いくつになっても、女は逞しい。

酸いも甘いも噛み分けた人生経験から生み出された強さなんだろう。

 

その場では65歳の私は異質な存在だ。

時折話しの合間に「そだね〜」とか言って、笑いのお手伝いをしている。

author:金ブン, category:人生, 09:29
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