RSS | ATOM | SEARCH
井戸端会議

JUGEMテーマ:日記・一般

 

英会話のお茶飲み友達が4人いる。

70歳代や80歳代のお婆さんたちだ。

教室が終わると、近くのスーパーの休憩所で井戸端会議をしている。

 

その中のひとり、C子さんはJR駅近くのマンションで一人暮らしされている。

ご主人は5年前に亡くされた。

川西に住んでいたが、数年前息子さん夫婦に誘われて、同じマンション棟に引っ越しされた。

 

独居老人になって、すこぶる元気な日々を過ごされている。

ひとりになって元気になったのには訳がある。

ご主人が兄弟が多い大家族の長男だ。

それに亭主関白だった。

結婚した当初から、嫁姑や兄弟の世話を強いられ、自由な時間が全く無かった。

子育てを終え、嫁姑を黄泉の国へ送り、そしてご主人が亡くなり、ひとりになった。

典型的な日本の家族制度に縛られた人生だったが、やっと解放されたという。

 

昨年の秋にヨーロッパ旅行を楽しまれ、1ヵ月も経たないうちに、いとこと香港へ旅行された。

英会話後の井戸端会議で旅行の話をされる時はいつも生き生きとした表情をされている。

 

昨年、困ったことを経験したと話されていた。

国内のバス旅行にひとりで参加した時、隣に座った年配の男性と親しくなったという。

C子さんに恋愛とかいう感情はなく、話しやすそうな人との印象だった。

その男性は妻帯者で、地域の民生委員をしていた。

日頃地域の独居老人の家を訪問して、相談に乗ったりしているそうだ。

誠実そうな感じの方で、親切な人だったとC子さんは話す。

 

家が近かったこともあり、うっかりマンションの場所を教えてしまったという。

すると、男性はマンションに訪ねてくるようになった。

老人とはいえ、ひとり暮らしの女性の住まいに、妻のいる男性が入るのはちょっと気持ち悪い。

男性は民生委員の経験から、独居老人の暮し方について、いろんなアドバイスをしてくれる。

初めうちはお茶を出して相手をしていたのだが、C子さんは徐々に親切心が鬱陶しくなってきた。

そんなある日、突然ドアをノックする人がいた。

その男性だった。

マンションの敷地内に入るには訪問先の部屋番号で住民に連絡し、許可を取らないと入れないシステムになっている。

男性は他の人が入る時に開いたドアをすり抜けて、敷地内に入ったようだ。

 

C子さんはそうした男性の行為に気味悪くなり、「私、今から出かけますので、お帰りください」と強い調子で言い、ドアを開けなかった。

それ以後、男性は訪れることはなかったという。

 

「C子さん、そんなね、あんた知らん男を簡単に家に入れたら、アカンで」

「親切そうに見えても、何されるかわからんよ。お金取られてなかったか」

「民生委員といっても男やねんから、信用したらひどい目に遭うよ」

 ・・・

英会話後の井戸端会議はC子さんの話で盛り上がる。

 

70年以上も生きていると、老女たちは女性ならではの人生経験をしている。

男性の私には体験出来ないようなこともたくさんあるのだろう。

井戸端会議に参加している60半ばの私は、女性独特の体験談に耳を傾けている。

これまで女性の本音を聞く機会などほどんどなかったので、これがなかなか面白いのである。

私はひたすら聞き役なのだが、時折笑ってもらえるツッコミを入れたりしている。

 

C子さんはジャム作りが得意だ。

ママレードジャム、イチゴジャムやイチジクジャムを頂いた。

ヨーグルトやパンに付けて、食べている。

イチジクジャムには2,3匹の蟻さんも一緒に入っていたが…。

 

今年、C子さんから年賀状が届いた。

「英会話の後のおしゃべりを楽しみにしています」と、添え書きがあった。

author:金ブン, category:人生, 09:39
comments(0), trackbacks(0), - -
Comment









Trackback
url: http://kanablog1.kanabun-jun.com/trackback/858191