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弁当を作る
JUGEMテーマ:グルメ

男子厨房に入らず。
愚妻は私が台所に立つことを余り好まないようだ。
弁当を作り始めた頃から、そんな雰囲気を感じている。
 
今月(6月)の初め、朝日新聞に「さあ男性もキッチンへ」のタイトルで記事が載っていた。
料理初心者へのアドバイスとともに、チャーハンづくりを紹介していた。
最後にこんなことが書いてある。
<料理経験がない男性がやる気になったとき、立ちふさがる壁がある。妻の存在だ>
「夫に料理をして欲しいか」という問いに、妻たちの4割弱が「思わない」と答えたという。
その理由は、
・キッチンが汚れるから 
・うまく作れないから  
・材料費が高くつくから 
・料理は自分の役目なので、夫がやらなくてもよい 
・料理したことを威張るから 
 
そして、記事は妻に<「自分の城」を開放する勇気を持つべき>、料理を知り始めた男性には<妻の長年の仕事に敬意を払うことを忘れずに>と、忠告する。
特にわが家の愚妻は、台所が自分の城だと意識しているようだ。
 
昨年10月から会社に弁当を持参することになった。
きっかけは、いつも一緒に外食していた先輩社員が退職したこと。
社員と連れだって外食するのにも飽きていた。
 
それに健康面の問題あった。
健康診断では毎回高血圧、高脂血症、悪玉コレステロールの高値を指摘されている。
外食は揚げ物が多く、カロリーが多い。
健康のためにも、弁当が良いのではと思っていた。
また、料理を楽しんでみたかったこともある。
 
経済的にも豊かになれる。
外食だと600円から700円が財布から消える。
弁当だと、晩のおかずや余ったご飯を入れるのでそれほど費用も掛らない。
 
早速保温弁当箱を買った。
愚妻に「弁当を作る」というと、「私も作りたい」という。
作りたいというのを拒むのは良くない。
そこで、一日おきに交代で作ることにした。
 
初日の当番、愚妻は6時前に起きてきて、張り切って弁当を作ってくれた。
次の当番の日、遅れながらも何とか起きてきた。
しかし、それ以後愚妻は起きてこなかった。
愚妻は朝にめっぽう弱いのだ。
結局、それから毎日私が弁当を作り続けることになった。
(愚妻は弁当のおかずを意識して、晩御飯を作っていたが)
 
5時半には床を出て、厨房に立った。
私は夜が弱い代わりに、朝がニワトリより強い。
 
キュウリをスライサーで切り、マグロフレークと混ぜ、マヨネーズで和える。
キャベツ、シイタケ、ナス、ポールウインナーを小さく切り、フライパンで炒め、ウスターソースやコショウで味付けする。
(ナスは水に付け、灰汁抜きをした)
晩のおかずのハンバーグと、保存してあったカシワの照り焼きを細く割いて入れた。
やはり、弁当の定番は卵焼き。
マヨネーズと出汁を入れて、作った。
最後に、ミニトマトを盛りつけた。
これで第1回目の弁当が完成した。
 
 
 
初めは慣れていないので時間が掛った。
料理は段取りが大切だ。
材料を用意する順番、炒める時間、調味料を入れるタイミングなどなど。
物事を差配する能力が必要だ。
仕事の処理能力と共通するものがある。
段取りが解ってくると、徐々に早くなってくる。
 
また、味付けに欠かせないのが調味料。
砂糖、塩、コショウ、醤油、酒、みりん、味噌、豆板醤、バジルソース、マヨネーズ、オイスターソース、オリーブオイル…。
市販の調味料を合わせると、数限りなくある。
 
慣れてくると、いろんな味付けを試してみる。
時たま、まずい味付けもあった。
しかし、食べるのは自分だけだから、その責めは自分自身が負うだけだ。
料理の上達に重要なのは失敗することだ。
失敗を繰り返して、料理は上達していく。
これも会社の仕事と同じだ。
失敗して反省する社員ほど、優秀な社員に変身していく。
 
早起きしての弁当作りは楽しかった。
ツライと思ったことは一度も無かった。
ただ、ひとつだけ気に掛ったのは、妻の視線だ。
 
始めた頃、時間が無かったので、後片付けをしなかった。
だから、台所のここが汚れているとか、食器はこれを使わないでとか、何かといちゃもんを付けてくる。
新聞が指摘していた「妻の壁」だ。
 
そこで、片付けは徹底的にすることにした。
まず、料理を始める前に洗い残しの食器を洗い、乾燥機に入れる。
そして、出来るだけ調理道具や食器を使わないようにし、あと片付けは完ぺきにした。
また、愚妻と同時に台所を立つことを避け、台所が空いている時を見つけては下ごしらえをした。
どうだ、この努力!
ストイックな自分に酔ってしまう。
 
近頃、男が弁当を作る環境は整っている。
スーパーには弁当用の冷凍食品が数多く棚に並んでいる。
ネットにはクックパットなどのレシピサイトがたくさんある。
本屋に行けば、男の料理本が並んでいる。
 
ワイドショーで、料理をする男性の姿を特集しているのを見た。
毎日弁当を作っているサラリーマンもいた。
夫婦と共働きの場合、家事には男性の手助けが必要なのだ。
 
私は昨年10月から8ヵ月間弁当を持参した。
すべての弁当を写真で保存した。
ほとんど、愚妻が作った晩御飯のオカズが入っているが…。
それでも、23品は作っていた。


 
退職すると、弁当を作れなくなる。
慣れてきたのに残念なことだ。
そこで、先日年休を取った時、会社に持っていくようにして、昼の弁当を作った。
ところが、家の食卓で食べる弁当はあまり美味しくなかった。
 
歳を重ねると、男性は女性化していくという。
ずっと家にいると、主婦化せざるを得ない。

やがて、料理番組を録画して見るようになるだろう。
いつか、料理教室にも出かけてみたい。
そして、 「天皇の料理番」の徳蔵のように、フランスへ修行に行きたい。
(調子に乗り過ぎ!)
 
author:金ブン, category:グルメ, 16:54
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