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嘆きのボイン

JUGEMテーマ:ニュース

 

「ヤングおー!おー!」で聴いた月亭可朝の「嘆きのボイン」は衝撃だった。

とにかく、笑った。

 

高校生にとって、女の乳房はあこがれの対象だった。

とにかく、触れてみたい、さわってみたい。

そんな対象をボインと言って歌にするのだから、なんとも<うれし恥ずかし>く、笑えるのだ。

その頃は喫茶店にジュークボックスなるものが置いてあって、この歌をかけては笑った。

 

カンカン帽にチョビヒゲと丸い眼鏡。

独特のスタイルでギターを弾き語る姿はどこか世相を皮肉って、世間の抑圧に抵抗している印象だった。

弾き語りといえば、時代はフォークソング。

フォークソングが隆盛を極める中、月亭可朝のギター漫談はいつしかブラウン管から消えてしまった。

その後、博打好きのハチャメチャな私生活が注目され、ストーカー事件などでその存在が時折テレビ画面に登場した。

参議院の選挙に立候補した時は笑った。

公約が<一夫多妻制や風呂屋の男女湯の仕切りを失くすこと>だから、当選する訳がない。

でも、その行動は無茶苦茶すぎて、どこか憎めないところがあった。

愛すべき破滅型タレントのひとりだった。

 

亡くなった報道があった次の日、私はご老人5人に誘われ貸し切りのスナックでカラオケをした。

私は50年ぶりに「嘆きのボイン」を唄った。

昨年暮れ、「金太の大冒険」を唄って顰蹙を買ったが、こんどは笑いを取った。

老人たちは私より10歳以上年上で、この歌が流行したころは30歳前後だったろう。

幼いわが子がマネして歌っていたので、よく聴いたという。

 

無邪気に笑った時代を懐かしく振り返る年齢になってしまった。

 

さて、話は変わるが、最近漫才を聴いて大笑いしてしまった。

いろんな漫才を聴いてみたが、ほとんど笑えない。

やはり私は漫才の笑いを受けつけないのだろうと思っていたが、この漫才は笑った。

ナイツの「野球の話」だ。

 

キャプションに「このオチはすごい」と書いてあるが、確かにすごい。

前半に話の仕掛けが作ってあって、後半にそれがさく裂する構成になっている。

 

YOUTUBEの画像を転載しますので、ご覧ください。

(9分以降は繰り返しになっているので、ご注意)

 

 

 

ボケの塙を引き立てている、ツッコミの土屋がスゴイ。

趣向の違った漫才に挑戦していて、どれも面白い。

だから、今ナイツにハマっている。

author:金ブン, category:社会ネタ, 09:57
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警察官

JUGEMテーマ:日記・一般

 

2年前、ツタヤの前で警察から職務質問を受けた。

パトカーに呼び止められた時、さすがにドキッとした。

自転車に乗っていたので、何か交通違反でもしたのかと思った。

ひとりの警官がパトカーから降りてきて、私の自転車をジロジロと見る。

警官は自転車が盗難車じゃないかと疑っていたのだ。

年格好の割に、私が若者向けの自転車に乗っていたからだ。

自転車は息子の形見で、息子が中学に入学した時に買ったものだった。

私がそのことを警官に告げたのだが、「一様、調べさせてください」と言い、警官は自転車番号をメモし、盗難の登録がされていないか電話で確認していた。

そうでないことが判ると、警官は丁寧に頭を下げて立ち去った。

警官も仕事だからと思うのだが、疑われるというのは気分が良いものではない。

 

一昨年、妻が自動車免許を取得して初めての違反切符を切られた。

レストラン「さと」の駐車場に入る時、右折禁止の道路を横切って、巡査に呼び止められた。

巡査は建物の陰に隠れるように、引っかかるネズミを待っていた。

いつもその道路を右折していたので、妻は右折禁止とは全く認識が無かった。

妻の運転は慎重すぎるほどに慎重だ。

レストランに入る手段はいくつかあるのだが、そこを右折するのが一番安全だと思われた。

右折禁止の道路標識が全く目立たない場所にあった。

違反切符を切られた妻は40年近く守り続けていたゴールド免許を手放さなければならないことを悔しがり、その矛先はしばらく警察に向けられていた。

 

まともな暮らしをしている者にとって、警察のお世話になることはほとんど無い。

一番身近に関係するのは交通巡査だろう。

私も何度かお世話になっているし、罰金を提供している。

 

最近、大事件に関わる警察官の姿を描いた小説を読んだ。

門田隆将の「狼の牙を折れ」。

 

1970年代、左翼過激派による爆弾テロが多発した。

その中でも最大のテロ事件は、1974年に起きた「丸の内の三菱重工爆破事件」だった。

海外の観光客が急増している現在では信じられないだろうが、その頃東京は爆弾テロが頻発していて、世界でも最も危険な都市と云われていた。

「狼」を名乗る東アジア反日武装戦線が犯行声明を出していた。

<日本の労働者=帝国主義労働者>という単純な思考から、全く罪の無い人たちを犠牲にしていた。

 

警視庁は多くの警察官を動員し、8か月の捜査で4人の容疑者(大道寺将司、大道寺あや子、佐々木規夫、片岡利明)を逮捕する。

だが、その後の日本赤軍によるクアラルンプール事件とダッカ日航機ハイジャック事件によって超法規的措置で佐々木規夫、大道寺あや子が釈放され、今も国際手配されている。

大道寺将司、片岡利明は裁判で死刑が確定し、死刑囚として収監されていたが、昨年大道寺将司は獄中で死亡した。

著書は警視庁公安部の刑事たちがいかに無差別テロと闘い追い詰めていったかを、指揮官や捜査官の目線で克明に描いている。

都会の闇で行われる犯罪を徐々にあぶり出していくという捜査官の執念に、圧倒されてしまう。

そして、<名を知られることもなく、手柄を誇ることもない 陰で人びとの暮らしを支える>と、事件に携わった警察官たちを讃える。

 

今週、友人に薦められた帚木 蓬生の「悲素」を読んだ。

題材は和歌山毒カレー事件だ。

化学専門の大学教授が和歌山警察から求められて被害者たちを診察し検証して、犯行が毒物の「ヒ素」によって行われたことを解明していく。

巧妙に企んでいる保険金殺人を、毒物の知識や過去の経験を駆使しながら、犯人を追い詰めていく。

著書は化学事件に立ち向かう医師の姿にスポットを当てているが、被害者の無念を晴らそうと警察官たちの涙ぐましい努力も見逃せない。

 

学生運動が盛んな頃、左翼系の学生たちが警察を「国家権力の犬」とか言って、罵倒の対象にしていた。

若者たちが左翼革命を信じていた時代で、公安が市民生活に入りこんで、学生たちの行動を細かく監視していた。

活動する学生たちは、警官を見下げることで権力と対峙しているという勇敢さを演出しているように映った。

 

警察官は市民の秩序を守るために、監視しなければならない。

取り締まられた人は警察に不信感や嫌悪感を覚えたりするようだ。

 

姪っ子が警察官と結婚し、最近二人目の子供が産まれた。

とにかく警察の仕事は忙しいようで、子守りもままならないという。

 

世の中には(私のような)良い人間ばかりではない。

悪い人間が多いのだ。

 

だから、違反切符や職務質問を受けたぐらいで、腹立てていたらイカンと思うのである。

author:金ブン, category:社会ネタ, 14:22
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とにかく、笑えれば

JUGEMテーマ:ニュース

 

とにかく、思いきり笑いたい。

腹がよじれるほど、笑ってみたい。

特に最近、そう思うのだが。

 

若いころはよく笑った。

岡八郎が「くさぁ〜」と言っただけで、笑えた。

山上たつひこのマンガを読んで、笑いが止まらなくなったこともあった。

電車の中、マンガ「嗚呼!花の応援団」を読んでいて、思わず吹き出してしまった。

 

とにかく、面白いものに対して、私の脳ミソは素直だった。

 

年寄りの仲間入りをしてから、私はクスッと笑うことはあっても、腹から笑えなくなった。

M1グランプリを見ていても、観客が大笑いする漫才のどこが面白いのか分からなかった。

それは、電波を介して見るテレビやネットだからかもしれない。

臨場感いっぱいの舞台なら、笑いの受けとめ方も違ってくる。

 

そんな気持ちもあって、先日大学の友人夫婦たちと、繁昌亭へ出かけた。

繁昌亭へ行くのは三度目だった。

一度目は会社の先輩からチケットを頂いた時。

それは鉄ちゃん(鉄道マニア)の落語家が集まり、鉄道ネタを披露する催しだった。

観客も鉄ちゃんが多かった。

鉄道マニアならではのエピソードや自虐ネタが結構面白かった。

 

それで時間を置かず繁昌亭に出かけたが、二度目はあまり笑えなかった。

出演者に人気のある落語家が全くいなかったからだろう、と反省した。

だから三度目はひとりでも名の知れた出演者がいる時にしようということになった。

その日は桂小枝がトリを務めることになっていた。

それでも知っているのは小枝だけで、あとの出演者9人は見たことも聞いたこともない。

 

お笑い芸人というのは世の中に数え切れないほどいる。

若手からベテランまで、いろんな人たちが様々な演芸場に出演している。

「売れる」ために、みんな必死で芸を磨いている。

 

安部政権が働き方改革を提唱しているが、お笑い芸人はほとんど労働に見合った給料を得ていない。

吉本興業なんて、タレントの上位10%が全体の80%のギャラを貰っているという。

 

とにかく、競争が激しい世界なのだ。

 

才能豊かな芸を持った人でも、なかなか売れないのがこの世界のようだ。

表舞台に出ていない芸人にも、結構面白いのがいるのだろう。

 

今回の出演者で、なかなか味のある芸人を見つけた。

漫談の「ナオユキ」だ。

ダービーハット(?)を被った独特のスタイルで、舞台に現れた瞬間、会場に笑いが起きる。

次から次へと飛び出す、酔っ払いの自虐ネタが笑える。

会場に笑いが絶えなかった。

 

 

ウィキペディアによると、20年以上前に「ダックスープ」という漫才コンビで、上方漫才コンテストで優秀賞を受賞したり、ABCお笑い新人グランプリで優秀新人賞を獲得したりしたようだが、現在はピン芸人として漫談で活動している。

R1グランプリでは2回準決勝に進んで、サバイバル出場者に選ばれているという。

 

Youtubeでは、「孤高の吟遊詩人」と紹介されていた。

 

https://www.youtube.com/watch?v=PXrgOuAsIAk

 

舞台で見ると、なかなか味がある。

 

先日、朝の情報番組「す・またん」で、「大松絵美」というお笑いタレントが紹介されていた。

今年ブレークしそうなタレントだとか。

 

これも、Youtubeに出ている。

 

 

キャラの強さに引いてしまうが、同じ大学出身なので親近感を覚える。

 

 

♪とにかく、笑えれば、それでも笑えれば

今日一日の終わりに ハハハと笑えれば♪

(ウルフルズ)

 

とにかく、笑いたい。

author:金ブン, category:社会ネタ, 09:49
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平成29年の雑感

JUGEMテーマ:日記・一般

今年、森友学園の問題で世間が騒いでいた頃、テレビに何度か塚本幼稚園が登場した。

幼稚園は学校法人森友学園が経営している。

その幼稚園の外観を見ていて、私は「どこかで見たことがあるな」と思っていた。

思いだした。

以前、取引していた印刷業者のI君とテニスをした時、I君は彼女を連れてきた。

彼女は幼稚園の保育師さんだった。

テニスの帰り、私は彼女が同乗するI君の車に乗せてもらった。

彼女は塚本にある幼稚園に勤めていた。

その日、彼女は仕事があるというので、I君は塚本の幼稚園まで送って行った。

十三に行く私は同乗して、一緒に幼稚園の前まで行った。

随分前のことだが、その幼稚園の外観が私の脳裏に残っていた。

「君の彼女が勤めていたのは話題の塚本幼稚園か?」

今年、I君と麻雀をした時、その事を尋ねてみた。

「そうなんですよ」と、I君は顔を顰める。

彼女の紹介で、話題になっている瑞穂の國記念小学校のパンフレット印刷を請け負ったという。

印刷の過程で、園長(理事長の奥さん)から訂正の電話がジャンジャン掛かってきた。

「大変でしたよ。かなり強引な人で」と、I君は園長の人となりについて話していた。

その前園長も夫である前理事長も、今は補助金詐取事件で大阪拘置所に留置されている。

今年のワイドショーは森友学園問題の話題から始まった。

その後、加計学園問題に移り、国会が衆人環視の的となり、劇場化していった。

それにしても、今年4月の小学校開校に向けて暗躍していた理事長夫婦が、今では拘置所の独房に入れられているというのは何とも厳しい結末だ。

人生は何が起こるか、判らない。

豊田議員騒動、トランプ大統領就任、藤井聡太の29連勝、横綱・日馬富士の暴行事件、小池百合子劇場の隆盛と没落、政治家・著名人の不倫騒動などなど。

今年も、様々な分野から、キャラの濃い人たちが出現した。

退職してからというもの、ワイドショーを否が応でも見る機会が増えた。

よくこれだけ次々と話題が出てくるものだと感心する。

他人の不幸は蜜の味というが、ワイドショーに登場するコメンテーターが一番喜んでいるのではないだろうか。

以前、マツコの知らない世界に出演した甥っこが、放送局から出演料として20万円入った封筒を受け取ったと言っていた。

そう考えると、コメンテーターのふところがどれだけの出演料で膨らんでいるか想像できる。

上記の写真は今年11月頃新聞に折り込みされた高島屋のチラシだ。

「大黄金展」という展示・即売会の広告だ。

その金額を見て、目を疑った。

黄金の兜が165,564000円、黄金の太刀が62,316,000円なのだ。

他にも、高さ10cm弱の織田信長や豊臣秀吉の黄金像が2,376,000円で並んでいる。

その折り込みチラシが、スーパーやユニクロのチラシと一緒に、新聞に挟まれているのだ。

私は6千万や1億の数字を見ていて、不気味な気持ちになった。

日経平均株価が25年ぶりに23000円台に乗せたとメディアは伝える。

もう、バブル景気に突入している。

さて、それはいつ破裂するのだろう。

私は小学校の頃、人を殴ったことが一度ある。

そろばん教室で、友人とけんかになり、友人の顔面を殴ったのを覚えている。

人を殴ったことはそれが初めてで、それ以後は無い。

だが、殴りたいと思ったことはある。

今年も幼児を虐待死させる事件が何度かあった。

先週も箕面で4歳の幼児が同居人たちの暴行を受けて亡くなった。

暴行は母親の目の前で日常的に行われていたという。

容疑者と母親を並べて、思いっきり顔面を引っぱたきたいという衝動に駆られた。

いつも年末には、その年に読んだ本や観た映画から印象に残ったものを紹介している。

だが、今年は紹介出来るほど、読んでいないし観ていない。

毎年100本近く観ていた映画は今年22本しか観ていない。

また、本も30冊しか読んでいない。

あえて、その中から印象に残った一冊を上げるとすれば、直木賞作品の佐藤正午「月の満ち欠け」。

オカルトっぽい小説で、個人的には私好みの内容だった。

映画で1本選ぶとすれば、「永い言い訳」。

本木雅弘演じる主人公の、人間的な弱さや迷いにシンパシーを感じた。

12月の中ごろ、文化財ボランティアの忘年会があった。

二次会で、駅前のスナックへ行った。

みんなでカラオケを唄った。

演歌、フォーク、ポップス、など、8人が思い思いの歌に唄った。

私は受けを狙って、つぼいのりおの「金太の大冒険」を唄った。

若い頃、ギターを持って、人前で歌ったことがあるギャグソングだ。

下ネタ満載の歌なのだ。

静かだった場を盛り上げようと気を使ったのだが、滑ってしまった。

参加者は80代や70代の老人たちで、女性も混じっていた。

私ともう一人の男性が焼酎を呑んでいたが、他の人は下戸なのでしらふだった。

下ネタはその場の雰囲気に合わなかった。

自転車に乗って、猛省しながら帰った。

なんで、「金太の大冒険」なんか、唄ったのだろう。

変な気遣いして、滑ってしまう。

今流でいえば、余計な<忖度>なのだ。

悔やんだり、戸惑ったり、失望したりして、1年が終わろうとしている。

これがまた、自分の人生の1ページだった。

author:金ブン, category:社会ネタ, 09:53
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震える指し手

JUGEMテーマ:ニュース

 

将棋ファンのひとりとして、今年は楽しい一年だった。

 

当然、中学生棋士の藤井聡太の活躍と羽生棋士の永世七冠。

特に、羽生が永世七冠を獲得して、国民栄誉賞を受賞することは印象的な出来事だ。

 

1966年に七大タイトルを独占した時も国民栄誉賞の候補になった。

だが、その時は20代半ばでまだ若いという声があり、見送られた。

若いというより、まだまだ伸び盛りで記録を伸ばす勢いがあった。

将来、大きな記録を作りだすであろう予感が将棋界にあった。

永世の七冠を獲得することも夢ではないと思われていた。

 

だが、その過程はかなり苦難の道のりだった。

 

2008年の竜王戦で、羽生の永世七冠は目の前にあった。

10年前のことだ。

将棋ファンの誰もが、羽生が竜王位を獲得すると信じていたはず。

このタイトル戦は勝負の怖さを思い知らされる戦いだった。

 

当時渡辺竜王は4期連続で竜王位を保持していた。

永世竜王という称号を得るには、竜王位を5期連続で獲得するか、通算7期獲得するかの条件があった。

過去に竜王の永世称号を獲得した棋士はいない。(竜王位の歴史が浅いこともあるが)

 

挑戦者になった羽生はすでに、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖の永世称号を持っていた。

残るは竜王永世のみだった。

 

普通のプロ棋士にとって、タイトルを一つでも獲得するのが難しい。

永世資格となると、余程の実力者でなければ、獲得はさらに難しいものなのだ。

 

10年前(2008年)の第21期竜王戦は特に永世称号の獲得を巡って、注目されていた。

勝ったほうが永世竜王を手にするのだ。

渡辺竜王が勝てば5期連続となり、羽生が勝てば通算7期目となる。

 

竜王戦が始まると、圧倒的に羽生の強さが目立っていた。

第1局目から3局目までは、羽生の指し回しの上手さで3連勝する。

逆に、渡辺竜王は調子が悪かった。

世間が永世七冠を期待する風潮だっただけに、その雰囲気に押されているような感じだった。

 

そして、第4局目は11月26日・27日、熊本県で行われた。

ファンの予想も羽生の4連勝に傾いている。

予想どおり、羽生棋士の優勢となり、勝勢に向かっていく。

 

だが、将棋は逆転のゲームだ。

9回裏10対0でも、ひとつのミスや思い違いで逆転する。

渡辺竜王の「王」は羽生の猛攻撃の前に逃げ場の無い場所まで、追い詰められる。

永世七冠誕生が目の前にあった。

 

ところが、羽生の持ち駒がわずかに足りないので、詰められない。

開き直った渡辺竜王が逆転の指し手を見つけ出し、あっという間に勝利を手にした。

これで、渡辺竜王はやっと1勝したものの、まだ1勝3敗と崖っぷちは変わらない。

羽生はまだまだ有利だ。

 

だが、勝負事には流れがある。

この流れを神のいたずらとか言ったりするが…。

 

続く5局目と6局目は渡辺竜王が勝ち、タイに持ち込むのだ。

7冠すべてを制覇したことがあり、数々の苦戦を克服してきた勝負師羽生であっても、勝負の流れに取り戻すことが出来ない。

 

結局、最終局も負け、羽生の永世7冠は成らなかった。

逆転した渡辺竜王が永世竜王を獲得したのだった。

 

その2年後、再び竜王挑戦の権利を得て渡辺竜王に挑戦したが、2勝4敗で永世7冠は成らなかった。

その後は若手棋士の台頭で徐々にタイトルを失い、なかなか竜王へのタイトル挑戦権も得られなかった。

もう、永世七冠は無理じゃないかと思っていたのだが。

 

羽生には様々な癖がある。

その中に、勝利を確信した時に駒を置く指が小刻みに震えるという癖がある。

この癖は圧倒的に強かった若い頃からのものではなく、40代に入ってから目立つようになったもののようだ。

1局の勝利が、いかに苦難を乗り越えて手にした産物であるかを表している。

 

永世七冠を目前にした一手を指す時、その指が震えているのをカメラが映していた。

 

author:金ブン, category:社会ネタ, 10:54
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ニュースキャスター

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定年退職する少し前の話だが、あるグループ企業からプレゼンの依頼があった。
大きなビルを運営する会社で、創立50周年の記念式典をするという。

式典の目玉に著名人の講演会を企画していた。

その会社の役員は昔から懇意にしていた人で、講演会の著名人を提案してほしいと私に依頼してきたのだ。

ただし、他社との競合だった。

 

芸能プロダクションに連絡して、何人かの候補者を挙げ、その中から適当な人物を選んだ。

名前は覚えていないのだが、名の知れた講演者だったと記憶している。

しかし、結果は他社に決まってしまった。

 

依頼した役員から、決定した著名人の名前を聞いて納得した。

確かに、旬な有名人と言える人物だった。

ニュースキャスターのS氏である。

 

タレントの春香クリスティーンがこの人の重圧で芸能活動を休止することが話題になったりしている。

ほとんど、笑い話の範囲だが。

 

私は朝の6時ごろから、テレビのチャンネルを読売テレビに入れる。

朝の情報番組「す・またん」を見るためだ。

朝のひとときにはこの“ゆるゆる”の情報番組が快適だ。

 

出演者が面白い。

ツッコミどころが面白い 司会者の森たけし、

鉄道の話をしたら止まらない 鉄女の斉藤雪乃、

トゲのあるツッコミが鋭い 青森出身の虎谷温子、

天然キャラのトラキチ 東大理系女の諸國沙代子、

他にも時折ギターを持って登場する嘉門竜夫やキッチュこと松尾 貴史。

 

メインキャスターの森たけしは青学の落語研究会出身とあって、ボケとツッコミの両方が絶妙だ。

ニュースキャスターのS氏との掛け合いが漫才のようだ。

 

先週の「す・またん」だったか、大阪市が国際万博大阪誘致に向けてBIE(博覧会国際事務局)総会でプレゼンをしたニュースを紹介していた時、森が「BIEって、なんか身長と体重の関係みたいですね」とボケた。

すると、S氏はすぐに「それはBMI。それは理想体重を示す指数やろ」と切り返す。

とっさのギャグに、BMIの言葉が出てくるのはさすがだ。

頭の回転が早いのに、いつも感心する。
(私は英語の頭文字の略字がほとんど憶えられない)

 

S氏は鳥取県生まれで、早稲田大学法学部出身。

読売テレビにアナウンサーとして入社し、朝のワイド番組をはじめ、ニュースキャスターやたかじんの「そこまで言って委員会」など、数多くの人気番組に出演している。

平成20年にフリーになり、シンクタンクの経営者である一方、テレビ出演、本の出版、講演活動と過密なスケジュールをこなしている様子だ。

 

私は「す・またん」の他にも土曜日のニュース情報番組の「ウエークアップ!プラス」や「そこまで言って委員会」も見ている。

しゃべりのテンポが軽妙で、インタビューでのツッコミどころはやんわりとした口調だが鋭い。

厳しい口調であってもキツイ印象を与えないのは、目が小さくて細い、コミカルな表情からくるのだろう。

自称ジャーナリストじゃなくテレビ屋だというだけに、視聴者やスポンサーに対するサービス精神は旺盛だ。

 

本の出版や講演を重ねて、かなり稼いでいるとのことだ。
特に本は精力的に出版していて、良く売れているようだ。

オフレコの話が「テレビでは絶対言えないことですが」と断りながら掲載されているのが面白い。

ただ、「ニュースの嘘を見抜け」とか、「ニュースで伝えられない この国の真実」とか、自身のメールマガジンの内容を焼き直している本もある。

 

ニュースキャスターには反権力思考で左派・リベラル系向きの考えを匂わせて、視聴者の支持を得ている人もいるようだが、S氏は政権よりの発言をすることに迷いはない。

あくまでも、是々非々の立場を貫く姿勢なのだろう。

 

今日の深夜、「朝まで生テレビ」を放送していた。

議論を聞いていて、司会の田原総一郎の老いぼれぶりを強く感じる。

過去の自慢話が多いことや理解力の減退が目に付く。

まともな討論になっていない。

80歳過ぎて深夜の討論番組に司会をしているのは感心するが、もうそろそろ交代したほうが良いんじゃないか。

その後任を考える時、S氏を思い浮かべる。

もっと、議論がスムーズに進むような気がする。

 

先日読んだ本の中で、S氏のこんな言葉が印象に残っている。

「私たちがゆるぎない価値と信じている、自由だの民主主義だの人権だの、あるいは人命尊重だの幸せな家庭生活なんてものは、結局一つの「幻想」なんだろうなってことです。

この「幻想」こそが不断の努力で維持していかない価値なんだと、子どものうちからしっかりと教え込む必要があるんです」

 

十二指腸癌からの復帰や太平洋横断の難破から生還など、様々な人生経験が現在のコメント力や行動力に結びついているようだ。

S氏の活躍に注目している。

 

もちろん、S氏とは辛坊治郎氏のことだ。

author:金ブン, category:社会ネタ, 09:50
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困った弁護士

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力士の暴行事件で、もうひとつの暴行事件がかき消されてしまったが…。

 

暴言暴行を働いたのは弁護士だった。

酒に酔っていたとはいえ、これには驚いた。

 

運転手が道を間違えたのに腹を立て、タクシーの中で大暴れしている映像が映し出される。

てっきり、酔ったヤンキーが暴れているのだろうと思った。

最近のタクシーにはフロントカメラだけでは無く、車内を映すドライブレコーダーが付いている。

車内での映像も音声も、きっちりと記録されている。

うかつに、鼻くそを座席に付けたりできない。

 

いや、そんな冗談を言っている場合ではない。

 

このような暴行事件が世間に流布されるのは恐ろしく早い。

ワイドショーでは連日映像が流されていた。

連日繰り返し放送されるのに耐えかねて、すぐに犯人は警察に名乗り出る。

犯人は、正義と良心を貫くべき弁護士だった。

 

情報の早いネットでは、すでに名前も顔写真も公表されている。

 

乗車したところが札幌の歓楽街すすきのだから、かなり酔っていたのだろう。

それでも、見るに堪えない映像だった。

豹変する姿はとてもまともな人間とは思えない。

それが日本一難しい司法試験を乗り越えたエリートなんだから。

 

弁護士も人間だから、悪い奴もいる。

私もとんでもない弁護士を相手にした経験がある

 

かなり以前の話だが、義母が相続の案件で、銀行から弁護士を紹介してもらった。

妻と義母は神戸にある弁護士事務所を訪ねた。

複雑な親族関係があるものの、そんなに難しい案件ではなかった。

当初弁護士も「すぐに解決します」と依頼を快諾し、遅くとも数年で解決するものと思っていた。

 

だがそれ以後、1年が経過しても弁護士から何の連絡も無い。

妻が義母に代わって、弁護士へ連絡した。

「もう少し、お待ちください。こちらから連絡します」と弁護士は応えたのだが、それから2年経っても何の連絡も無かった。

それ以後、妻が毎年のように連絡を入れたが、いつも同じ返事だった。

 

義母の親戚が関わる案件なので、相続人でもない私が関わることを控えていた。

 

余りにも時間が掛かるので、妻は「これはおかしい」と感じていた。

9年が過ぎようとしていた時、妻が市の無料法律相談に行くというので、私も同行した。

担当の弁護士に事の経過を説明すると、「10年近くも、弁護士が依頼を放置することはありえない」と呆れていた。

それを聞いて、私が弁護士に電話を掛けることになった。

 

電話に出た弁護士に対して、名前と身分を告げ、「どうなっているのか」と少し荒げた調子で、問い質した。

弁護士は慌てた調子で、「取りかかっているので、しばらくお待ちください」と返す。

「もう何年も掛かっている。どこまで出来ているか経過を教えてほしい。事務所に行くから」と、私が言う。

すると、再び「こちらから連絡しますので、しばらくお待ちください」と繰り返す。

電話をする前は弁護士相手なので、私は不安な気持ちを抱いていたが、相手の怯むような調子に勢いが出てきた。

非は相手にあるのだ。

自分の方が正当で強い立場だと感じると、俄然勇気が出るものだ。

 

私は「それはいつなん?」と荒々しく畳みかけると、弁護士は「いっ、1週間後に必ず…」と言葉に詰まりながら応えた。

9年間も放って置いたものを、1週間で出来る訳がない。

そう思ったが、最後に「分かりました。もし、連絡が無かったら、顧問弁護士から電話を入れますので」と言って、電話を切った。

 

チキンハートの私が弁護士に対して、強く出たのには理由があった。

ちょうどその頃、他に依頼する弁護士を見つけていたからだ。

 

会社で債権回収の案件が発生し、大阪に事務所を構えるW弁護士に出会っていた。

非常にテキパキとした対応で、債権回収は解決に向かって進んでいた。

その打ち合わせに伺った時、義母の事案を相談した。

すると、W弁護士は「10年近くも放っておくなんて、信じられない。懲戒処分ものだ」と、大変驚かれた。

そして、「お受けしても良いですよ」と言ってくれた。

 

案の定、1週間経っても当の弁護士から連絡が無かった。

W弁護士への費用も心配だったが、私は完全に頭に来ていた。

とにかく早く解決しようと、W弁護士に正式に依頼した。

 

すると、事は解決に向けて動き出した。

当の弁護士は預かっていた資料をW弁護士に戻し、案件から降りたい旨を伝えてきた。

W弁護士は10年近くの間依頼案件を放置したことの慰謝料も含めて、依頼を引き継ぐ交渉をしてくれた。

「あの弁護士、ちょっと精神的に病んでいるじゃないかな」と、W弁護士は面会した印象を話していた。
 

医者もそうだが、弁護士も選択を誤るとひどい目に遭うのだ。


その後もW弁護士とは親しい付き合いをさせてもらった。

当時は堺屋太一氏の顧問弁護士(現在は不明)をされていて、かなり多忙な人だったが、私が訪問すると法律家の厳しい目付きは消え、余談ばかりの長話になった。

退職後、私が文化財のボランティアをしていると告げると、自身も尼崎生まれの契沖(真言宗の僧、国学者)を研究していると打ち明けられ、さらに長話になった。

author:金ブン, category:社会ネタ, 10:12
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選挙です

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家の固定電話に掛かってくるのはほとんどがセールスだ。

健康食品・家のリフォーム・新聞・投資…。

週に2、3回は掛かってくる。

 

先日、固定電話が鳴った。

受話器を取ると、自動音声が流れてきた。

てっきりどこかのセールスだと思っていたが、それは選挙に関するアンケートだった。

面倒だったので切ろうとしたが、6問だけだと言うので最後まで質問に応えた。

<今回の衆議院選挙に行きますか>から始まり、候補名まで挙げて<誰に投票しますか>とか<比例区でどの政党を入れますか>とか。

ほとんど、まだ決めていないと応える。

 

衆議院選挙も終盤戦。

駅前では立候補者が通行人に頭を下げ、握手を求めてくる。

親しくもないのに、にこやかな顔で手を振ってくる。

 

政治に関心があるように見えない通行人にもへいこら頭の下げ、声を嗄らして名前を連呼する。

時には手厳しいヤジにさらされながら…。

 

一体、この人たちは何が楽しくて、議員になりたがっているのだろう。

 

聴衆の前で弁舌するのはさぞかし気持ち良いのだろう。

先生と言われたら、やっぱり偉くなったと思うんだろう。

 

昔から乞食と政治家は3日やったらやめられないというから、余程<良い思い>をすることが出来るのだろう。

(いや、そんな不謹慎なことを言ってはいけない。)

政治家の中には<最大多数の最大幸福>の実現を目指して、身を粉にして働きいている人もいる(はず)。

一部には新幹線でお手々を繋いだりしている人や政務活動費をごまかしたりしている人はいるが、ほとんどの政治家は自分の信念に従い、国民の利益のために行動している(はず)。

 

だが、人間は大きな権力を握ると、かならず気持ちのどこかでタガが外れる。

信念はねじ曲がってくる。

権力が思い通りに動かせるようになると、人はお調子に乗ってしまう。

主義主張の似た支持者に便宜を図ったり、ゴルフ友達の事業を手助けしたり。

「景気は良くなったし、雇用も回復した。こんなに国民に尽くしているのだから、ちょっとくらい知人に融通を利かしても良いじゃないか」

権力者からそんな声が聞こえてきそうだ。

 

明日は衆議院選挙の投票日。

最近の選挙は電話やネットのアンケートなどの結果で、早い段階から確度の高い予想が発表される。

先週の週末の予想では与党が大勝しそうな情勢だった。

急ごしらえの政党ではとても支持を得られそうもない。

新政党に排除されて、行き場を失った人たちが応急措置で作った政党に支持が集まっている。

冷静に考えると、当然の結末のような気がする。

 

不謹慎を承知で言えば、選挙の興味は不祥事や失言で世間を賑わせた議員たちの当落だけか。

 

私の選挙区の兵庫6区は自民・希望・立憲・維新から4人が立候補している。

今週伊丹駅で立憲民主の候補者が手を差し出すので、「応援していますよ」と言って握手した。

なかなかのイケメンだ。

私の思考は<保守>よりも<リベラル>に傾いているが、ドタバタで作った政党には少し腰が引けてしまう。

しかし、選択肢はそれしかないようだ。

 

最近よくテレビに出ている国際政治学者の三浦瑠麗が、リベラルについてこんな風に書いていた。

<私は「日本型リベラル」に懐疑的です。冷戦後、社会主義が適用しなくなったのに、本当の個人主義に根ざした世界水準のリベラリズムは芽生えず、憲法9条以外に強いアイデンティティがない。残ったのは自分への利益分配だけを求め、既存の権力を批判することに偏った集団です>

 

リベラルが力を持たないと、世の中は良くならないと思うが。

それにしても、リベラルにとって、民主党政権の失敗は余りにも大きい。

 

最後に、お騒がせ議員の当落を予想してみた。

山尾志桜里 落選(女性票が離れて、無所属では無理)

豊田真由子 落選(子供に「このハゲ」とヤジられてはどうしようもない)

稲田朋美  当選(福井に住んだことがないそうだが、知名度がある)

金田勝年  当選(国会のイメージが悪いが、地盤・カバン・看板が強そう)

今村雅弘 比例の順位が上のほうなので当選

務台俊介 落選(長靴協会の協力が無いとダメ)

 

こんな好き勝手に書いても、投獄されない社会であり続けてほしいものだ。

author:金ブン, category:社会ネタ, 09:43
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財テク

JUGEMテーマ:日記・一般

 

 

金も 宝も 財産も

あれば あるほど 足らぬもの

 

トイレのカレンダーに載っている、10月の言葉だ。

 

NHKで放送された「逆転人生」は<借金40億円を背負ったサラリーマン、完済までの奇跡の逆転劇>という題だった。

普通のサラリーマンが父親からの負債40億円の事業を受け継いでしまった。

 

父親は16店の居酒屋を初め、カラオケやスナックなど数多くの店舗を経営していた。

しかし、どれも赤字経営で、銀行への借金があった。

その多くはバブルのころの不動産投資だったという。

 

バブル景気は昭和から平成にかけての5年間、日本経済全体が株式や不動産への投資に酔いしれた。

その頃、銀行は余ったお金を事業者へどんどんと融資する。

父親も銀行からの融資を受け、多くの土地やビルなどに投資した。

バブル景気が崩壊し、不動産価格は急降下していく。

そんな時、父親が急死し、事業を引き継ぐことになってしまう。

その時の負債額が40億円。

 

番組は居酒屋の経営を立て直し、16年で借金を返済した人の奮闘記だ。

バブル崩壊では、どん底から立ち上がった人は少ない。

借金に苦しんで自殺した人たちが多くいた。

 

国民全体が金儲けに酔いしれたのがバブル景気。

<金も 宝も 財産も>をいくら手に入れても、人びとは満足することが出来なかった時代だ。

株価は4万円近くまで登りつめた。

そして、突然泡は空しく弾けた。

個人投資家は財産を失い、財テクに走っていた企業も多くが倒産した。

膨れ上がった不良債権を抱え、銀行や証券会社さえも倒産した。

 

その頃、会社の危機を何とか乗り越えようと、企業の財務担当者たちは必死で損金を隠そうとする。

相場英雄の経済小説「不発弾」に、バブルで積み上がった不良債権を海外に飛ばすビジネスが詳しく書かれている。

「不発弾」とは隠ぺいされた不良債権を指す。

それはいつ地上に現れて爆発するかわからない危険をはらんでいる。

 

そこで暗躍するのが証券会社のディーラーや金融コンサルタントたちだ。

彼らは膨れ上がった損金の処理に困った企業に近づき、損金を一時的に「不発弾」として海外へ飛ばす方法を指南する。

景気がバブル時の水準に回復すれば、後で「不発弾」を処理できるが、それまでに明るみに出れば粉飾決算の罪を問われる。

「不発弾」は爆発する。

 

もちろん、夢のような景気回復は起こらなかった。

粉飾決算を問われて謝罪会見をする会社幹部の姿を、何度もテレビに映し出されていた。

 

バブル景気は、<金、宝、財産>への欲望には際限が無いことを示した。

 

他人のことを偉そうなに言えない。

私もバブルの頃世間の風に流されて、株式を購入したひとりだから。

 

その頃、1株119万で売りだされたNTTの株に個人投資家が群がり、318万円になっていた。

それが空前の株投資ブームの引き金になった。

だが、バブル崩壊は目の前に来ていた。

 

テレビでは巨万の富を得ている人が紹介されたり、株で儲けている知人が自慢げに話していたりする。

そんなに儲かるんなら、ちょっとやってみるか。

資金がない私は義母からお金を借りて、ある大企業の株式を買った。

株価はもう伸びきっていた。

買ってからしばらくして株価は下がり続け、売る機会を失った。

結局2年後義母に返却を求められ、貯金をかき集めて返した。

素人が安易に株に手を出してはいけない典型的な例だ。

 

この時から証券会社に口座ができて、取引が始まった。

バブル期に2%あった普通預金の金利は下がり続けた。(現在は0.02%)

銀行に貯金するよりましだろうと、証券会社でリスクの少ない国債を少しずつ買ったりしていた。

すると、担当者と称する女性から電話が掛かってきて、株式や投資信託を薦められるようになる。

株式はもう懲りているので、銀行より利回りが良いという口車に乗せられて、投資信託を買ってみた。

投資信託もリスクが伴うのだ。

結局、値下がりに我慢できず、元本を割れたまま期中償還してしまった。

 

その後も証券レディとの付き合いが続く。

可処分所得を少しずつ溜めては短期国債を買っていると、あれこれとセールスを掛けてくる。

証券レディはリスクをオブラートに包みながら、金融商品を提案してくる。

しかし、得した経験はほとんど無かった。

それでも、塵(ちり)のような銀行の利率を見ていると、少しでも利回りの良い商品にと考えてしまう。

 

そういえば、東京電力の株を薦められたことがあった。

その時関西電力を1000株持っていたから、その関連で勧めたのだろう。

証券レディ曰く、「東京電力も安全だし、配当はありますし…」。

資金が無かったのでお断りしたが、その2ヵ月後に東北大震災が起こった。

 

その後もいろんな商品のパンフレットが送られてくる。

外国通貨の債権、新規株式、投資信託…。

うっかりと口車に乗ってIT株に手を出し、買ってすぐに株価が半額になったこともあった。

投資は自己責任だから、誰にも文句は言えない。

証券会社の言うことは信用しないと、肝に銘じている次第だ。

 

今までの投資額をトータルすると、ほとんど利益を得ていないようだ。

 

今は細々と年金暮らしをしているので、財テクに走る気もない。

それでも、売る気満々の証券レディは時折電話を掛けてくる。

 

先日もトルコの通貨リラで発行している債権を買わないかという。

利率がなんと約9%。

低金利の日本で、利回り1%の債券なんてほとんどない。

ところが、外国通貨建ての債券には為替リスクがある。

現在、リラは円に対して約30円だ。

5年前は約40円で、10年前は約100円だった。

下がり続けているのだ。

多少下がっても利率が高いので最終的に利益が出るかもしれない。

それも償還時期の為替次第だ。

もちろん、そんなリスクを背負う気はない。

 

それでも、証券レディからの電話に出るのは勉強になるからだ。

商品を紹介する時に世界や日本の経済情勢について、流暢に話してくる。

もちろん、教えられたとおりに話しているのだろうが…。

退職以来新聞の経済面を余り読まなくなったので、それも新鮮な情報になる。

 

今週、日経平均株価が約21年ぶりの水準に回復した。

衆議院選挙の予想で安部政権が続きそうな情勢なので、株価が上昇しているという。

 

株価はいずれ下降に向かう。

オリンピック以後政権が変わって、全体の投資意欲が冷え切った時に、投資したほうが良いと思ったりするが…。

 

まぁ、年金生活者には関係ないか。

author:金ブン, category:社会ネタ, 09:32
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後悔する人たち

JUGEMテーマ:ニュース

 

後悔する人生を送りたくない、と誰もが思う。

 

後悔について、以前友人のひとりがこんなことを言っていた。

「後悔には二つの形がある。

やってしまったことの後悔と、やらなかったことの後悔。

僕はやらなかったことを後悔するより、やってしまったことを後悔する姿勢でいたい」

 

<人生は積極的に行動すべきだ>という人生訓だ。

 

しかし、この人生訓は<不倫>という失敗を犯したものには当てはまらないようだ。

「なんで、一線を超えてしまったんやろう」

今<不倫>でバッシングを受けてひどい目に遭っている人たちは、<やってしまったこと>を思いきり後悔している。

その結末が悲惨であればあるほど、その後悔は針のように痛く胸に突き刺さる。

 

「あなたはなぜタレントになったのか?」

以前、若い人気タレントがこんな質問をされると、「やはりみんなから注目されるし、若い子にもてるじゃないですか」と本音をさらけ出す。

ちょっとでも人気を得ると、わんさか女の子が追いかけてくる。

可愛い女の子を、より取り見取りで手に入れることが出来るのだろう。

独身のうちなら、自由恋愛も許される。

 

だが、いざ結婚するとそうはいかない。

強い社会規範に縛られるのだ。

社会的に有名であればあるほど、世間の目はより一層社会規範に厳しくなる。

これは<有名税>と言う言葉で表現されたりする。

 

結婚式で、「健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、これを愛し、これを敬い、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」と神や仏の前で問われ、うなずき誓ったりする。

しかし、人間の業はそんなに素直ではない。

身体の中に子孫を作ろうとするDNAが組み込まれている。

 

近づいてくる獲物に対して、身体の奥底にあるDNAが疼く。

<やってしまいたい>という選択と<やったらいかんぞ>という選択の綱引きの中で、DNAが<やってしまいたい>ほうの綱をグググッと引っ張る。

すると、<臆病、小心、腑甲斐無さ、腰ぬけ>の感情が足を突っ張りながら持ちこたえようとする。

だが、獲物を目の前にした時の一瞬の昂揚感が<臆病、小心、腑甲斐無さ、腰ぬけ>の感情を凌駕し、綱引きの綱を<やってしまおう>の方へ引っ張っていく。

 

世間のさらし者になり、<良い人>のレッテルから<悪い人>のレッテルに貼り替えられた時、事の重大さに気付く。

「一線を超えていない」としらばくれたり、「不倫は文化だ」と開き直ったりしながら、最後は嵐が収まるのを、ひたすら我慢して待ち続けるのだ。

 

不倫放送のワイドショーが視聴率を稼ぎ、ゴミステーション前の井戸端会議では<一線を超えていない>の言葉が飛び交う。

有名税を支払っている政治家や芸能人のうろたえる姿を見て、市井の人たちはニヤッと微笑む。

他人のスキャンダルは湯快であり、特に有名人の醜態は蜜の味になる。

 

だが、家族とワイドショーを見ているオトウサンたちにとって、その反応は難しい。

「ふしだらな奴らやなぁ」とか、「ええかげんにせんかい」と、強く声を出せない。

黙して、画面を見つめるだけだ。

それは、自分の身体の中に確かにあるだろう、DNAの存在を知っているから…。

author:金ブン, category:社会ネタ, 10:02
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