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英会話を習う
JUGEMテーマ:趣味

大学へ入学する目的は英語をマスターすることだった。
将来、(ぼんやりと)英語が必要となる仕事をするつもりだった。
世間には国際化という言葉が蔓延し、海外旅行がブームに鳴りだした頃だ。
だから、英米文学科を専攻したのだが…。
 
入学すると、私は怠惰な学生になった。
英語は大学で学ぶ最小限度のことしか勉強しなかった。
少しかじる程度に英語の原書を読み、後は訳書を読んで勉強した気分になっていた。
高校英語から余り進歩しなかった。
英米文学科は文学書を題材に学ぶところで、英会話を学ぶところでなかった。
英会話をマスターしたい学生は、大学とは別に民間の各種学校で英会話を学んでいた。
 
私は英語と向き合う姿勢に、真剣さが欠けていた。
アルバイトしたり、映画を観たり、何となく学生生活が過ぎていく。
2回生になると雀友が出来て、<ポン・チー>と中国語のお勉強が盛んになってしまった。
 
結局、英語は全く上達することなく、大学を卒業した。
就職したのはその頃人気の旅行会社。
漠然と、海外旅行の添乗をしたりするのだろうと思っていた。
ところが、配属されたのは旅行とは全く関係の無い広告代理店部。
会社が私鉄の子会社だったので、旅行の他に電車の車内広告や駅看板などを扱う商売をしていたのだ。
まったく、英語とは無縁の仕事に就いた。
それから40年間、ずっと広告の仕事を続け、その間英語に触れる機会は全くなかった。
(外人に道を訪ねられた時や、新婚旅行のハワイで外人と全く意思疎通が出来ず愚妻からバカにされた時は不自由を感じたのだが)
 
でも、どこか頭の中に英語をマスターしたい、外人と英会話がしたいという気持ちを持っていた。
だから、NHKの英会話ラジオ放送を聴いたりテキスト本を読んで挑戦してみたが、毎回数ヵ月で挫折してしまった。
当然、話題のスピードラーニングも5万円の大枚を支払って買い、挑戦してみたが、あえなく沈没してしまった。
 
だから、定年退職してから、英会話はいずれ再挑戦してみたいと思っていた。
そんな時、市の公民館で講座の案内チラシを見つけた。
「英会話講座―日本文化コース」は4月から6月の9回の受講(1時間15分)で、教材費を含めて約1万円。
初心者歓迎と書いてあるので、初歩的な英会話なのだろう。
講師は外人だった。
生の英語に触れる良い機会だと思い、早速参加することにした。
 
公民館の教室に、約25名が机を囲んでいた。
生徒はほとんどが年配の女性で、男性は3名だけ。
年齢は70歳〜80歳の感じ。
 
先生はルーマニア出身の中年女性で、ちょっと肥満ぎみ。
外人独特の体型で、下半身が異常に大きい。
もちろん日本語は話せるが、授業中はほとんど英語で話しつづける。
ところどころで日本語を混ぜるので、少し意味が判る。
 
先生の英語に、生徒たちはうなずいている者もいれば、ポカンとしている者もいる。
私はうなずいてみたり、ポカンとしてみたり…。
 
生徒は教材として2冊の本を買っている。
しかし、4月から始まり毎週土曜日に3回の授業を受けたが、ほとんど教材を使わない。
 
1回目の授業は自己紹介。
先生がボードに書く。
Hello,my name is ________.
I live in ______.
I come here by (on) ______.
It takes me _______ minutes to get here.
 
生徒は上記の下線部分を埋めて、順番に話す。
ひと通り回ると、次に生徒は下記のように、となりの生徒に英語で尋ねる。
How do you come here?
(どのようにして、ここにくるのか?)とか
How long does it take you to come here?
(ここに来るのに、どれくらいかかりますか?)
生徒はこれに答え、またとなりの生徒に同じ質問をする。
全員が順番に受け答えをする。
 
この間、先生は英語でペラペラと雑談して、笑ったりしている。
生の英語なので、聴きとりにくい。
その内容は理解出来たり、出来なかったり。
 
結局、テキストを使うことなく、最初の授業が終わった。
 
2回目の授業は国旗のカードを使った。
カードの裏にその国の人口、首都、面積、特色などが英語で書いてある。
生徒は適当に1枚選ぶ。
すると、先生が英語で、「人口は何人ですか?」とか、「特色は何ですか?」とか、順番に尋ねていく。
 
私はスウェーデンが当たった。
「首都はどこですか?」とか、「特色はどうですか?」とか、先生が尋ねる。
答えるのは簡単だ。
裏面に英語で書かれている内容を答えればいいだけだ。
でも、その間、先生はペラペラと雑談をする。
例えば、「ノーベル賞はストックホルムで受賞式があるけど、ノーベル平和賞は違う場所で受賞式がある。どこか、知ってるか?」と、笑いながら訊いてきたりする。
 
こんな風に、生徒がそれぞれの国の内容を答えていく。
次に、生徒同士で、順番にその受け答えを回していくのだ。
 
この日もテキストを使うこと無く、1時間15分が過ぎた。
 
3回目はやっと、テキストの内容を使った。
しかし、教材を忠実になぞるようなものではなく、会話の一部を取り上げて、生徒同士で会話させていく。
 
Do you have any hobbies?
(趣味はありますか?)
Yes.I like going to the movies.
(私は映画を観に行くのが好きです)
とか、
What’s your ambition?
(あなたの夢はなにですか?)
I’d like to travel around the world.
(私は世界を旅したい)
とか、会話を回していくのだ。
 
私は夢を尋ねられ、
I’d like to be an interpreter.
「私は通訳になることです」と言った後、
This is joke.
(冗談です)
と笑いをとり、
「私は伊丹の文化財のガイドを英語ですること」と、拙い英語で答えた。
 
生徒から、「excellent!」という声が聞こえた。
私はちょっとキザだったかなと思い、気恥ずかしい気分になった。
もちろん、ガイドを英語でするなんて、夢のまた夢の話なのに…。
 
英会話講座は堅苦しいところが全く無い。
自由な雰囲気が漂っている。
ペラペラと話す先生の英語を理解する必要もない。
判らない場合は日本語で話せばいい。
上手下手は関係が無い。
要は、話す度胸を付けるところだ。
片言英語をぶつければ良いのだ。
 
終わってから、伊丹の文化財のことについて、年配の人たちに尋ねられた。
アラウンドエイティだという、ふたりの生徒に、「今度、お茶でも飲みましょう」と、誘われた。
今後、後期高齢者のお友達が増えそうである。
author:金ブン, category:お勉強, 17:02
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