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安もの食い

JUGEMテーマ:グルメ

 

私の身体は高価な食べ物を受け付けないように出来ている。

 

若かった頃の話だが、下請けの事業所の開所式に招待された。

料亭で懇親会があり、珍味といわれる高級な食べ物が出された。

私は魚卵系の食べ物は好まないのだが、珍しさもあって、少しずつ口に運んだ。

すると、帰りの電車の中で急に下腹が痛くなり、慌ててトイレに駆け込んだ。

 

その後も何度か高価な食べ物が出される宴席に出る機会があったが、そのたびにトイレへ直行することを経験した。

 

数年前、娘の嫁ぎ先の両親と、香住へ解禁になったばかりのカニを食べに行った。

ひとり2万円以上するカニのフルコースだった。

カニの刺身から始まり、焼きガニ、カニ茹で、カニ鍋、カニ雑炊と続く。

ところが、刺身を食べたあたりから急に腹の調子が悪くなり、何度もトイレに駆け込んだ。

他のメンバーたちは、私のような症状も無く、「美味しい、美味しい」と食べ続けていた。

 

昨年10月、嫁さんが還暦を迎えた。

親戚の人から、還暦祝いをいただいた。

ホテルやレストランで食事が楽しめるチケットだ。

「上質な時間の贈り物」と書いてあった。

 

年末年始を挟んで、なかなか利用する時間が取れなかった。

贈っていただいた親戚の人から、「どうだった?」とのメールが届く。

チケットの有効期限が近付いていた。

急いでインターネットから予約して、日曜日神戸ハーバーランドオリエンタルホテルへランチを食べに出かけた。

 

 

ホテルの1階にある「ピア」というレストラン。

ホテルの横は遊覧船ルミナス神戸の発着場で、席の窓から遊覧船が行き交うのが見える。

 

 

フレンチのコース料理になっている。

 

最初にウェイトレスがメニューを持って来て、「飲み物はいかがですか」と訊く。

メニューの料金を見て、びっくり。

やはり、高い。

チケットに飲み物代は含まれていない。

最近昼のアルコールは控えているので別に水だけでも良かったのだが、こういう場面ではいつも見栄と気の弱さが作用する。

ノンアルコールビールと烏龍茶を注文した。

これだけで、清算時に2千円ちかく支払った。

 

 

前菜はズワイガニのサラダ。

家で食べれば2口で食べてしまうものを、フォークとナイフで何度も切り分けて食べる。

カニの風味が口に広がる。

 

 

珍しい「ごぼうのスープ」の後に、魚料理。

ブリの照り焼きをアレンジしていて、器の底にリゾットをあしらってある。

ブリ照りと家庭の味と似ているような…。

 

 

次はメインの肉料理なのだが、その前にお口直しのかき氷。

大葉を細かくして氷と混ぜたもので、さっぱりすっきり。

嫁さんが気に入った様子で、「家でも出来そう」と。

 

 

メインの肉料理。

黒毛和牛のステーキに、レンコンや玉ねぎ(嫁さんに食べてもらう)が添えてある。

肉料理に気持ちが高ぶり、写真撮影を忘れていたので、食べ掛けの写真になった。

 

 

最後はチョコケーキにバニラのアイスクリームが乗ったデザート。

 

窓の外を優雅に通り過ぎる遊覧船を見ながらの昼食は、確かに<上質な時間>の贈り物だった。

幸い、食後にトイレに駆け込むことも無かったし…。

 

その3日後、ボランティアのお友達Sさん(72歳)から昼ごはんに誘われた。

近くの「ステーキガスト」で落ち合った。

Sさんはカットしたステーキの定食、私はおろしハンバーグを注文した。

どちらもサラダバーとドリンクバーを付けた。

 

Sさんは味にうるさく、よく料理に注文を付けたりする。

その時も、ステーキが固いという。

千円程度のステーキだから、固いのも仕方がないだろう。

Sさんは私の皿にステーキをふた切れ置いたので、私はそれを食べた。

私には柔らかく感じられた。

 

サラダバーで3回お代りをし、ドリンクバーでジュースとコーヒーを4杯飲み、クーポン券を使って支払うと、千円ちょっとで納まった。

十分満足感を味わった。

 

ホテルのコース料理もファミレスの定食も、満足感はさほど変わらなかった。

やはり、私の味覚と胃袋は安もの向けに出来ているのだろう。

author:金ブン, category:グルメ, 09:24
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おせち料理

JUGEMテーマ:グルメ

 

年末に娘婿の実家から正月用の餅をいただいた。

妻が、それを丁寧にサランラップしていた。

いつもなら、妻はそれをすぐに冷凍庫に入れるのだが、忘れていた。

すると4日の朝、所々にカビが生えていた。

それを見つけた私は妻に言う。

「おい、カビってるで」

(流行語大賞に掛けたマクラでした。)

 

毎年、妻がおせち料理を作っていた。

一緒に娘婿の実家の分も作っていた。

今年のおせちは違った。

外注したのだ。

 

なぜなら、年末は何かと忙しい。

(私が忙しい訳ではないが)

孫たちは帰省してくるし、掃除はしなければならないし。

とにかく、妻は忙しいご様子。

 

それに年末は材料費が高く、2軒分だとかなりの金額になる。

 

昨今、秋頃からおせち料理の広告が出だす。

妻はそれらの広告を見て、こころが動いたようだ。

安いものだと1万円程度、高いものなら5万以上するものさえあるが…。

 

どっちみち、夫婦ふたりと91歳の父親だけ。

そんなに量はいらない。

 

娘婿の実家も同じ考えだった。

おせち料理の広告を見ていたようだ。

 

妻の心が動いたのは、「な○万」のおせちだった。

「な○万」といえば、日本料理の名店だ。

ここなら、味も大丈夫だろう。

 

少し心配だったのは取り扱っているのが近くのスーパーイズミヤだったこと。

だが、作っているのは「な○万」なのだ。

ちょっと張りこんで、2万円のおせち料理を注文した。

 

大晦日、イズミヤへ受け取りに行った。

頑丈な箱に入っており、嫌でも期待が高まる。

 

元旦、私は段ボールの箱を開け、中から黒い重箱を取り出した。

「意外と小さい箱やな」と思いながら、蓋を開けた。

 

 

料理が綺麗に整っている。

なかなか、美味そうな。

 

下の段はどんなのかな、と次の段を開けようとした。

しかし、下の段は無い。

1段だけなのだ。

 

「おい、これで終わりか」と、妻に言う。

「2万円って、こんなもんでしょう」と、返す。

 

お屠蘇をいただき、3人で食べ始めたが、すぐに重箱の隅をつつく状態となった。

 

だが、妻はその味に満足していた様子だった。

その横で私は唐揚げやシュウマイみたいな料理が欲しかったなぁと、ひとり言ちる。

 

私はB級グルメ党もしくは安もの食いの体質だ。

上品で繊細な料理を味わう感覚を身につけていない。

 

確かに味付けは上品で、盛り付けは綺麗だった。

だが、「な○万」はちょっと気取り過ぎた。

(合鴨の燻製はかなりイケたが)

 

来年はほっともっとのおせちでも良いと思っているのだが…。

妻は絶対嫌がるだろうな。

 

(追記)

おせち料理に入っている<合鴨の燻製>で、昔のことを思い出した。

 

ショッピングセンターの販促を担当していた時、テナント会の忘年会に招かれた。

みんなで鍋料理を食べていたのだが、やたらと美味い肉が鍋の中に入っていた。

「この肉、美味いですね」と言って、私がパクパクと鍋に入っている肉を食べていると、横にいた薬局の社長さんが、「あんた、この肉何か知らんのか?」と言う。

「これ、美味いですね。何の肉ですか」と訊くと、社長さんは「これ、上等の合鴨や」と応える。

私は鴨を食べるのが生まれて初めてだった。

「あんた、営業マンやったら、合鴨くらい知っときや」と、社長さんは言って、他のテーブルから合鴨の肉をどんどん持って来てくれた。

私は得意先の忘年会に参加していることも忘れて、黙々と合鴨を食べていた。

鴨は美味かった。

 

私が行くような蕎麦屋では、鴨南蛮と称して鴨の代わりに鶏を使っていた。

昔はそれが通用していた。

author:金ブン, category:グルメ, 10:45
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真夏のホットコーヒー

JUGEMテーマ:グルメ

 

「暑い」にクソを付けたいほどの暑さだ。

そんな暑さの中で、ホットコーヒーを味わっている。

きっかけがあった。

 

先日、友人が突然入院した。

私より2年ほど先にリタイアし、元気に退職後の生活を楽しんでいた。

健康そうだったが、急に体調をくずした。

還暦を過ぎると、いつ何時、病魔に襲われるか解らないものだ。

県立の総合病院で手術することになり、私はお見舞いを持って行った。

手術は無事に終わり、1ヵ月半で退院した。

 

退院後、友人が訪ねてきて、お見舞いのお返しを持ってきてくれた。

「カタログギフトにしようと思ったのだが、ちょっと珍しい品物にした」と言う。

珍しい品物、それは珈琲豆だった。

 

今、世間はちょっとした珈琲ブームだ。

スターバックスやドトールを始め、洒落た外観の珈琲専門店をロードサイドで見つける。

コンビニも店頭に100円コーヒーの看板を掲げ、コーヒー販売に力を入れている。

100円といえば、マックもそうだ。

この100円コーヒーが値段なりに不味いかというと、そんなことはない。

決して、コーヒー専門店に味劣りしないのだ。

 

友人はお返しと一緒に、<コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか>という本を持ってきてくれた。

本によると、コーヒーはやはり豆の品質や保存状態、淹れ方によって、味がかなり左右されるという。

コンビニのコーヒーは淹れ方や豆の品質にこだわり、それを100円で販売している。

だから、安いコーヒーが美味しく飲めるというので、人気になっているのだ。

 

対して、ホテルは提供するコーヒーを専門業者に任せ、場所代を込めて高い値段で販売している。

場所によっては、挽き立てではなく作り置きしておいてポットから提供しているところもある。

 

コーヒーの原価は20円程度のものだ。
コンビニでは安いコーヒーを大量に販売出来るので、利益を稼げることになる。

100円のコーヒーはドーナツなどとセットにして販売し、さらに売上を上げているのだ。

商品の回転が良くなると、さらに品質にこだわるようになり、さらに美味くなっていく。

 

さて、頂いたコーヒー豆だが、ワインボトルに入っている。

 

 

高級なワインのようだ。

3本セットで、それぞれの瓶に<ヴァテマラ産ブルボン ナチュラル>、<ジャマイカ産ブルーマウンテン>、<パナマ産ドンカ トラディッショナル>の豆が入っていた。

まずは<ヴァテマラ産ブルボン ナチュラル>から味わってみようと、コーヒー豆を出してみる。

 

 

先ほど紹介した本には、市場に欠陥豆が流通して、日本人は不味いコーヒーを飲まされているようなことが書いてあったが、素人の私にはこの瓶入りの豆が良質なのか、見た目では判断できない。

 

とにかく、電動コーヒーミルで粉砕し、ドリップした。

 

 

良い香りがする。

少し酸味が強いが、飲みやすい。

 

酷暑日が続いているが、暑い時に味わうホットコーヒーはまた、乙である。

 

外出先では、マクドかコンビニで頻繁に100円のアイスコーヒーを飲んでいるが…。

author:金ブン, category:グルメ, 11:03
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パン食
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朝食にパンを食べるか、ごはんを食べるか?

あるアンケートで、パン派は44%、ごはん派は39%となっていた。

パン食のほうが若干多い。

愚妻はパン派で、朝食にはめったにごはんは食べない。

3食ともパンでかまわないというほどのパン派。



対して、私はごはん派だった。

味噌汁に厚焼き卵という定番の朝食が大好きだ。

パン食はどうもお腹に頼りない。

食べた気がしないのだ。



阪神淡路大震災まで、実家は尼崎でパン屋をしていた。

パン屋で育ったのに、朝食はほとんどごはんだった。

(両親がごはん派だった)



実家はパン屋を閉店したが、今でも知人(親戚関係ではない)が細々とパンの製造販売をしている。

時々訪ねるのだが、その時は菓子パンや食パンを袋に詰めてくれる。

ところが、貰ったパンは数日するとすぐに固くなってしまう。

知人が言うには、「うちのパンはパンを柔らかくする添加物や防腐剤を一切使っていないから」だそうだ。

大手の製パン業者は食品添加物を使ってパンを柔らかくし、日持ちするように作っているという。

確かに、スーパーやコンビニなどで売られているパンは異常と感じるほどに柔らかく出来ている。

それに、数日経っても柔らかなままの状態だ。




ネットで検索すると、パンの安全性に疑問を投げかけるサイトが多数見つかる。

パンの原料である小麦粉はほとんどが輸入品なのだが、それらはポストハーベスト残留や遺伝子組み換えの危険性が指摘されている。

製造過程で使用される添加物(リン酸塩など)や防腐剤についても、カルシウムなどのミネラルを奪うとか、発がん性があるとか、言われている。



また、パン食は高脂血症、高血圧、糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めるそうだ。

それはパン自体の問題ではなく、一緒に食べるものの問題でもある。

日本食では、ごはんと一緒に、味噌汁・納豆・漬物等を食べる。

これらには脂質や添加物が含まれているが、少量だ。

それに比べて、パン食で良く一緒に食べるマーガリン・ハム・ウインナー・タマゴ等は脂質や添加物を多く含んでいるという。

脂質と動物性食品の摂りすぎで、生活習慣病のリスクが高まるらしい。



以前、パン食の危険性を訴える部下がいた。

「パンなんか、食べたらいけませんよ。身体に悪いですよ」と、言う。

部下の主張はパンだけに止まらない。


輸入している小麦自体が身体に悪いと言う。

つまり、パンの他に、ラーメンやパスタ、お好み焼きも小麦で出来ている。

だから、その部下はそれらの食品をほとんど食べないらしい。



一体、何を食べるのだろう。

そんなことを言い出したら、食べるものが無いではないか。



添加物の危険性を訴えるサイトがある反面、それに反論するサイトもある。

添加物のリン酸塩がカルシウムの吸収を阻害するとか、防腐剤は発がん性があるとか、主張するのは摂取する量の問題だという。

それぞれの添加物は特定の役割を持って食品に入れられていて、研究により使用する量が決められている。

要は、量の問題だと。

大量に摂取すると身体に何らかの害が出るが、ごく少量なら全く問題は無いという。

日頃使う醤油は少量で使うから安全なのであって、(極端だが)1リットルも摂取すれば死に至ることだってある。



先日、コンビニでサンドウィッチを買ってきた。

食べようとして、包装紙の裏に書いてある添加物の表示が目に入る。

グリシン、ph調整剤、増粘多糖類、リン酸塩、イーストフード、加工でんぷん、酸化防止剤、着色料、乳化剤、発色剤…。

得体のしれない添加物の名前を見ていると、食べる気が失せてくる。



しかし、これらの添加物を避けて、現代の食生活は維持できない。

日本食であろうが西洋食であろうが、ごはん派であろうがパン派であろうが、食品添加物は避けることが出来ない。



ゴチャゴチャとパンにまつわる添加物のことを書き連ねたが、パン食とどう向き合うのか、ということを、最近考えたりしたわけでして…。



なぜなら、私の朝食はパン派に変わってきたから。

さっき、<パン食はどうもお腹に頼りない。食べた気がしないのだ。>と書いたが、最近朝のごはんは重たくなってきた。

ごはんは腹にもたれるのだ。



これも加齢のせいなのだが。



author:金ブン, category:グルメ, 10:41
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恐怖の薬膳料理
JUGEMテーマ:グルメ

薬膳料理は地獄のような体験だった。
食べ物の好き嫌いが多い私にとって、苦痛以外の何物でもなかった。
(※好き嫌いの無い人にとって、今回のブログは何が恐怖なのか判らないだろう)
 
きっかけは公民館にあるチラシ。
<五月病?気のめいる時期の薬膳>
サブコピーは<ストレスに強くなる食生活>だとか。
4月から6月の毎月1回で、3回の講習があった。
料金は材料費込みで5000円。
 
薬膳料理がどんなものか、全く知らない。
それなのに、私は興味本位で申し込んでしまった。
(好き嫌いは体験してみないと判らないと思った)
東洋的な香りがして、なんか面白そう。
そんな軽い気持ちだった。
 
エプロン・三角巾を準備して、公民館の調理室に出かけた。
入口のメンバー表を見て、びっくり。
18人中、男性は私ひとり。
60代から70代であろう女性ばかり。
どうみても、男性には場違いな雰囲気だ。
 
「女性ばかりで緊張するでしょう?」
薬膳指導士の先生が、戸惑った表情の私を見て、冗談ぽく言う。
「いやぁ、こんな雰囲気とは思いませんでした。帰ろうかと思っています」と、私は正直な気持ちを笑いでごまかしながら返す。
とは言うものの、ここまで来た以上、帰るわけにはいかない。
私はしぶしぶエプロンを着た。
 
だが、やはり帰ったほうが良かったと後悔したのは、テーブルに置いてある食材を見た時だった。
セロリ、人参、玉ねぎが並んでいた。
どれも苦手な野菜だった。
セロリと人参は何とか口にすることは出来るが、玉ねぎはとても無理。
私はどんな料理でも玉ねぎだけは避けて食べる。
焼き飯の中に入ってても、避ける。
それほど、玉ねぎは苦手なのだ。
 
料理をして、最後にみんなで食べるのだろう。
不安な気分に襲われる。
 
まず、先生が1時間程度薬膳の説明をした。
レジメが配られる。
東洋医学の「気」「血(けつ)」「津液(しんえき)」の考え方を解説する。
薬膳ではこの3つのバランスをとり、健康な身体を作るのだという。
五行学説なるものも説明するが、東洋医学は妖しくて理解できない。
 
そんなことより、私が気になったのはレシピだ。
今日の献立が書いてある。
・タケノコとわかめのスープ
・青魚のごま焼き
・セロリと人参の炒め物
・麦ごはん
・玫瑰花茶(メイグイホワチャ)
 
材料に目を通すが、天敵玉ねぎの文字がない。
玉ねぎは何に使うのだろうか。
気になる。
 
すると、講義の最後で、先生がいう。
「玉ねぎはレシピの材料に入っていないのですが、新玉ねぎが新鮮で美味しそうだったので、スライスにして食べましょう」だって。
オニオンスライスとは最悪だ。
いまだかつて、食べたことが無い。
 
講義が終わり、6人が3チームに分かれて、料理をする。
名札に赤、青、黄のマークが付けてあり、私は黄のチームだった。
私以外の生徒たちはベテランの主婦たちだ。
料理は得意なのだろう。
調理台に向かうと、みんな段取り良く、調理器を扱う。
 


「すみません。私、洗い物しかできませんので」と逃げを打つが、70歳代のオバサンとペアになり、セロリと人参の炒め物を調理することになった。
「私、人参を切りますので、セロリを切ってください」とオバサンが私に言う。
セロリはわが家の料理に登場したことがない。
愚妻が嫌いだからだ。
 
となりの調理台を見ると、他のチームの生徒さんがセロリを調理していた。
まず、縦の筋を取り、ピラーで表面の皮を取り除いていた。
私はそれを見ながら、セロリと対峙した。
何とか、細かくセロリを切り、皿に並べた。
 
問題は残ったセロリの葉である。
なんと、これはオニオンスライスに乗せるという。
おぞましい料理が出来上がる。
 
着々と調理が進み、出来上がった料理は6人分のお皿に分けられ、並べられている。
「さあ、出来上がったチームから食べてください」と、先生が叫ぶ。
先生は私の近くにやってきて、「美味しそう料理が出来上がりましたね」と、微笑む。
<実は、私、セロリと人参と玉ねぎは医者から止められてますねん>なんて、冗談を言える雰囲気ではない。
 
私は覚悟した。
席をはずし、自販機のあるところまでお茶を買いに行った。
お茶で流し込む以外にないと思ったからだ。
 
一抹の不安がよぎる。
小学生の時、私は嫌いな給食を水で飲み込もうと無理をして、<オエェー>とゲロしてしまった。
あの光景を再現するのではないだろうか。
 

 
目の前に料理が並んだ。
なぜか、根性という言葉が浮かぶ。
まず、嫌なものを飲み込んでしまおう。
と、覚悟して食べようとした時、助け舟があった。
 
「ドレッシングは醤油が良いですか、胡麻ドレッシングが良いですか」
私は胡麻ドレッシングを受け取ると、セロリの葉が乗ったオニオンスライスの上にたっぷりと流した。
料理が隠れて見えないほどに。
そして、一気に口の中にかけこみ、飲み込んだ。
両隣の生徒さんが見ていたら、余りのガサツな食べ方に引いていたに違いない。
それほど、早く食べてしまった。
いや、飲み込んでしまった。
 
続いて、セロリと人参の炒め物をお茶とごはんで流し込み、何とかすべてを完食した。
 
「あっさりした味付けで、野菜のうまみが出て、美味しかったでしょ?」と、食べ終わった私の横に来て、先生は微笑む。
「そうですね。なかなか良い味で」と応える私の顔は引きつっていたに違いない。
最後に「次も楽しみにしてください」と、先生が言った。
 
帰る時、「もう二度と参加しない」と思っていたが。
あと2回の講座料は払っている。
次は5月末。
再度挑戦してみようかと、思い始めている。
 
※「野菜嫌いなんて、なんと贅沢な!」と言う声が聞こえそうだ。
だが、どうしても玉ねぎは好きになれない。
author:金ブン, category:グルメ, 18:06
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食事のマナー
JUGEMテーマ:日記・一般

大学生の時、飲食店のアルバイト先で食事マナーを注意されたことがあった。
「食事中、テーブルに肘を付いたらアカン」
店主は親が子供を怒る様に、強い調子で言った。
他人から食事マナーの注意を受けたのは初めてだったので、面喰った。
 
後で考えると、その店主の言葉はありがたい忠告だったと思える。
常識的なマナーに欠けていると、自覚できたのだから。
 
しかし、還暦を過ぎても、私は食事中、愚妻から注意を受けている。
 
音を立てて咀嚼すること、
迷い箸をすること、
口の周りについている<お弁当>、
つまようじ代わりに使う人差し指。
 
注意しているつもりなのだが、無意識にやっているようだ。
加齢とともに口の周りの神経が鈍感になるので、口の周りについている<お弁当>に関してはある程度仕方がないことだ。
その他のことはマナーなので、守らなければならないと自覚している。
 
食事相手のことを考えると、日頃から清潔な食べ方をしなければならないとは思っている。
私も神経質な方なので、同席者の食事中の行為で食欲が減退することがある。
食べ終わってから、鼻をかむ人がいる。
特にラーメンやうどんなど、熱いものを食べた後、鼻水が出ることがよくあるが、そんな時人は鼻をかむ。
まだ食べ終わっていない私は食べる気を失ってしまう。
 
以前市役所の食堂で、とんでもない行為を目にした。
私の前に座っていた老人が食べ終わってから、入歯をお茶碗に入れて洗っているのだ。
これにはマイッタ。
私は一気に食欲を失くし、半分以上残してしまった。
 
そういえば、わが家でも父親が食事中に、噛み合わせが悪いと言っては、私の目の前で入歯を外していた。
私は「おじいちゃん、それだけはやめて!」と悲鳴を上げた。
 
新聞の人生相談に、母親の食事マナーが悪いという相談が載っていた。
相談者の娘は、母親が口を開けたままクチャクチャと音を立てたり、食器をカチャカチャと鳴らしたりしながら食事をするのがイヤで堪らないという。
何度言っても直らないので、困っているらしい。
 
肉親でも気分を害するのだから、他人なら尚更だ。
勤めている時も、同様の人がいた。
思いきり食べ物を口に詰め込みながら、顔を近づけてきて話をしたりする。
私は思わず、逃げるようにお膳を遠ざけていた。
 
その人と昼食をご一緒した時のことだ。
その人が食べていた冷や奴に、輪ゴムが紛れ込んでいたことがあった。
「なんやこれ、輪ゴムが入っているやないか」と言いながら、豆腐の食べカスが付いた輪ゴムを口から出されたとき、私はえずきそうになった。
 
テレビドラマで北川景子の食べるシーンが汚いと話題になった。
なんでも、餃子を口の中でもぐもぐと頬張ったシーンが視聴者の目に止まったようだ。
食べる番組では、芸能人も気を付けないといけない。
 
昨今、グルメ店をレポートする番組やスタジオで料理を食す番組がやたらと多い。
すべて場面で、出演者たちが「ウマイ」や「オイシイ」の声を上げる。
その時、口の中の食べ物が見えたりすることがある。
あれには幻滅する。
食べながらしゃべる時は、手で口を覆うぐらいのマナーは必要だ。
 
大食いの番組で綺麗な食べ方を求めるのは酷とは思うが、ギャル曽根ちゃんの食べ方は好感が持てるし、いつも見ていて食欲をそそられる。
だから、大食い番組の出演が多いのだろう。
出演者によっては、時間に追われて口に頬張る時、咀嚼している食べ物が思いっきり露出することがある。
あれも興ざめする。
 
食事マナーについては、他人のことを言えた柄ではない。
「ご飯、こぼしているよ」
昨日も食事中、愚妻からティッシュを渡された。
 
食事マナーには細心の注意を払っているのだが…。
歳には勝てない。
author:金ブン, category:グルメ, 20:58
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悪夢の中華料理店
JUGEMテーマ:グルメ

新年は悪夢の体験で始まった。
 
元旦は夫婦で神戸の生田神社へ行くことが習慣になっている。
今年も生田神社へ参拝した。
「今年も良いことばかりが続きますように!」と、1万円札を賽銭箱へ投げようとしたが、「そんな大金はいらない」という神様の声が聞こえたような気がしたので、○十円を投じた。
 
食事をしようと、元町商店街をウロウロ。
生田神社の喧騒とは異なり、商店街はほとんどの店がシャッターを閉めていた。
元旦だから、多くの家庭では家族や親族が集まって、家で過ごしているのだろう。
静かな商店街をぶらついていると、いつのまにか、中華街まで歩いていた。
中華街もいつもの賑わいが無い。
商店街近くの中華料理店に入ろうとしたが、客の気配が無く、活気のなさに気が引ける。
 
中華街の中心通りまで来ると、ところどころで屋台が開店し、ラーメン専門の屋台には行列ができていた。
開店している店舗では、女店員が店頭に立って客引きをしていた。
活気がありそうな【北京菜館】という店を選んで、中に入った。
この選択が大きな間違いだった。
 
細長い店内の1階は比較的空いていたようだが、なぜか2階へ案内された。
2階では家族連れと思われる団体の2組が奥の丸テーブルを囲んでいた。
4人掛けのテーブル席が3席と、その間に2人掛けのテーブルが1席あった。
4人掛けテーブルのすき間に、無理やりテーブルを詰め込んであるのだ。
向かい同士で座ることが出来ず、となりに並んで座らないといけない。
 
女子店員が「どうぞ」と、その2人掛けテーブルに案内する。
奥には丸テーブルが2つ空いているのだが、団体用に取っておきたいのだろう。
あまりに狭いので、一瞬店を変えようかと思ったが、店を出てウロウロするのも面倒くさいと思い、その席に座ってしまった。
これが悪夢の始まりだった。
 
セットメニューは1000円前後でリーズナブルな値段だった。
家内は飲茶セット、私は麻婆丼にラーメンがセットされた麻婆定食を注文。
すぐに、1階の調理場から飲茶セットが運ばれてきた。
早い理由はすぐに判った。
 
愚妻は私の料理が来るのを待とうとしていたが、料理が冷えたら美味しくないと気を使い、私は「先に食べといて。どうせすぐに料理は来るから…」と、愚妻に言う。
しかし、料理が冷える心配など無かった。
すでに、冷えていたのだから。
愚妻は箸を付けたのだが、シュウマイ、肉まん、春巻き、から揚げなど、スープ以外の料理はすべて冷たかったのだ。
理由は明らかだ。
店頭の屋台から作り置きの料理を持ってきて、盛り付けただけだったからだ。
すぐに料理が運ばれてきたのもそのためだ。
 

 
愚妻はげんなりした表情で冷えた料理を口に運ぶ。
しかし、それ以上にげんなりしたのは、私なのだ。
料理が一向に運ばれてこない。
15分が過ぎた。
すぐ近くにふたりの女性店員がいたが、1階から料理が上がってくると忙しそうに他のテーブルへ運んでいる。
料理が1階から上げってくるのを待っている時は、何やら中国語(台湾語か)で笑いながらおしゃべりしている。
イライラと料理を待っている私に気付く様子も無い。
水さえも出ないのだ。
 
私はかなり気持ちを抑えていた。
元旦だし次の予定も無いので、気長に待とうと自分に言い聞かせた。
しかし、限度がある。
冷たい料理を食べていた愚妻が、「麻婆定食はまだですか?」と落ち着いた調子で店員に声を掛けた。
その言葉に続いて、堪りかねていた私が「注文が通っていないんやったら、もうええで」と強い調子で重ねた。
すると、店員は慌ててインターフォンで1階へ連絡した後、「今作ってますので、もうちょっと待ってください」と、中国訛りの日本語で応えた。
ところが、それから5分が経ち10分が経っても料理は運ばれてこないのだ。
女性店員たちは、イライラして待っている私を無視するかのように、後から来店した客の料理を運び続けていた。
ついに、愚妻は冷えた飲茶料理を食べ終わってしまった。
 
怒りというものは胃袋を膨らますものだ。
私は全く食欲が無くなり、食べ終えた愚妻に目配せして立ちあがった。
「もう料理はいらん。もう帰る!」
日頃仏のような性格の私は声を荒げてしまった。
1階に降りてレジ―で料金を払う時、再び「ひどい店やな。もう二度と来ん」と捨て台詞を吐いた。
飲茶料理が冷えて不味かったのもひどかったが、女子店員の無神経さにもげんなりだった。
 
ところが、だ。
店を出て、怒りで膨らんだ胃袋に何か食べ物を入れようと考えている時、忘れ物に気付いた。
帽子を店に忘れていたのだ。
こういうところが、私の間抜けなところだ。
再び戻って店内に入ると、店員たちは私を見て一瞬たじろいだ。
文句を言うために舞い戻ってきたとでも思ったのだろう。
私は黙って2階に上がり、席の隅に落ちていた帽子を拾い、店を出た。
「二度と来ん」と勇ましく吠えて店を出たのに、再び忘れ物を取りに戻るとは…。
 
<食べログ>で北京菜館を検索すると、評価が2.99になっていた。
そして、口コミの中には私たちと同じ経験をしている人が数人いて、1.0の厳しい評価を付けている人もいた。
家に帰り、私もこの体験を口コミに投稿した。
しかし、公開されず、食べログの運営サイトから下記のメールが届いた。
<食べログは、お食事をした際の主観的な感想・意見を共有する口コミサイトのため、お店に対する個人的なクレームやお店で起きたトラブルに関するご投稿はご遠慮いただいております>とのこと。
 
スタートからつまづいてしまった。
そういえば、11年前の正月も比叡山延暦寺の帰りに、持っていた破魔矢を満員電車の中で折ってしまったことがあった。
その年は、息子がガンに罹って、家族が大変な経験をすることになった。
 
賽銭箱に1万円札でも入れておいたら良かったかな。
author:金ブン, category:グルメ, 17:18
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弁当を作る
JUGEMテーマ:グルメ

男子厨房に入らず。
愚妻は私が台所に立つことを余り好まないようだ。
弁当を作り始めた頃から、そんな雰囲気を感じている。
 
今月(6月)の初め、朝日新聞に「さあ男性もキッチンへ」のタイトルで記事が載っていた。
料理初心者へのアドバイスとともに、チャーハンづくりを紹介していた。
最後にこんなことが書いてある。
<料理経験がない男性がやる気になったとき、立ちふさがる壁がある。妻の存在だ>
「夫に料理をして欲しいか」という問いに、妻たちの4割弱が「思わない」と答えたという。
その理由は、
・キッチンが汚れるから 
・うまく作れないから  
・材料費が高くつくから 
・料理は自分の役目なので、夫がやらなくてもよい 
・料理したことを威張るから 
 
そして、記事は妻に<「自分の城」を開放する勇気を持つべき>、料理を知り始めた男性には<妻の長年の仕事に敬意を払うことを忘れずに>と、忠告する。
特にわが家の愚妻は、台所が自分の城だと意識しているようだ。
 
昨年10月から会社に弁当を持参することになった。
きっかけは、いつも一緒に外食していた先輩社員が退職したこと。
社員と連れだって外食するのにも飽きていた。
 
それに健康面の問題あった。
健康診断では毎回高血圧、高脂血症、悪玉コレステロールの高値を指摘されている。
外食は揚げ物が多く、カロリーが多い。
健康のためにも、弁当が良いのではと思っていた。
また、料理を楽しんでみたかったこともある。
 
経済的にも豊かになれる。
外食だと600円から700円が財布から消える。
弁当だと、晩のおかずや余ったご飯を入れるのでそれほど費用も掛らない。
 
早速保温弁当箱を買った。
愚妻に「弁当を作る」というと、「私も作りたい」という。
作りたいというのを拒むのは良くない。
そこで、一日おきに交代で作ることにした。
 
初日の当番、愚妻は6時前に起きてきて、張り切って弁当を作ってくれた。
次の当番の日、遅れながらも何とか起きてきた。
しかし、それ以後愚妻は起きてこなかった。
愚妻は朝にめっぽう弱いのだ。
結局、それから毎日私が弁当を作り続けることになった。
(愚妻は弁当のおかずを意識して、晩御飯を作っていたが)
 
5時半には床を出て、厨房に立った。
私は夜が弱い代わりに、朝がニワトリより強い。
 
キュウリをスライサーで切り、マグロフレークと混ぜ、マヨネーズで和える。
キャベツ、シイタケ、ナス、ポールウインナーを小さく切り、フライパンで炒め、ウスターソースやコショウで味付けする。
(ナスは水に付け、灰汁抜きをした)
晩のおかずのハンバーグと、保存してあったカシワの照り焼きを細く割いて入れた。
やはり、弁当の定番は卵焼き。
マヨネーズと出汁を入れて、作った。
最後に、ミニトマトを盛りつけた。
これで第1回目の弁当が完成した。
 
 
 
初めは慣れていないので時間が掛った。
料理は段取りが大切だ。
材料を用意する順番、炒める時間、調味料を入れるタイミングなどなど。
物事を差配する能力が必要だ。
仕事の処理能力と共通するものがある。
段取りが解ってくると、徐々に早くなってくる。
 
また、味付けに欠かせないのが調味料。
砂糖、塩、コショウ、醤油、酒、みりん、味噌、豆板醤、バジルソース、マヨネーズ、オイスターソース、オリーブオイル…。
市販の調味料を合わせると、数限りなくある。
 
慣れてくると、いろんな味付けを試してみる。
時たま、まずい味付けもあった。
しかし、食べるのは自分だけだから、その責めは自分自身が負うだけだ。
料理の上達に重要なのは失敗することだ。
失敗を繰り返して、料理は上達していく。
これも会社の仕事と同じだ。
失敗して反省する社員ほど、優秀な社員に変身していく。
 
早起きしての弁当作りは楽しかった。
ツライと思ったことは一度も無かった。
ただ、ひとつだけ気に掛ったのは、妻の視線だ。
 
始めた頃、時間が無かったので、後片付けをしなかった。
だから、台所のここが汚れているとか、食器はこれを使わないでとか、何かといちゃもんを付けてくる。
新聞が指摘していた「妻の壁」だ。
 
そこで、片付けは徹底的にすることにした。
まず、料理を始める前に洗い残しの食器を洗い、乾燥機に入れる。
そして、出来るだけ調理道具や食器を使わないようにし、あと片付けは完ぺきにした。
また、愚妻と同時に台所を立つことを避け、台所が空いている時を見つけては下ごしらえをした。
どうだ、この努力!
ストイックな自分に酔ってしまう。
 
近頃、男が弁当を作る環境は整っている。
スーパーには弁当用の冷凍食品が数多く棚に並んでいる。
ネットにはクックパットなどのレシピサイトがたくさんある。
本屋に行けば、男の料理本が並んでいる。
 
ワイドショーで、料理をする男性の姿を特集しているのを見た。
毎日弁当を作っているサラリーマンもいた。
夫婦と共働きの場合、家事には男性の手助けが必要なのだ。
 
私は昨年10月から8ヵ月間弁当を持参した。
すべての弁当を写真で保存した。
ほとんど、愚妻が作った晩御飯のオカズが入っているが…。
それでも、23品は作っていた。


 
退職すると、弁当を作れなくなる。
慣れてきたのに残念なことだ。
そこで、先日年休を取った時、会社に持っていくようにして、昼の弁当を作った。
ところが、家の食卓で食べる弁当はあまり美味しくなかった。
 
歳を重ねると、男性は女性化していくという。
ずっと家にいると、主婦化せざるを得ない。

やがて、料理番組を録画して見るようになるだろう。
いつか、料理教室にも出かけてみたい。
そして、 「天皇の料理番」の徳蔵のように、フランスへ修行に行きたい。
(調子に乗り過ぎ!)
 
author:金ブン, category:グルメ, 16:54
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カレーなる一族

「昼飯、行こか」

昼休み、新入社員のE君を誘った。

「何を食べようか」

交差点の信号待ちで、E君に言う。

「何でも良いですけど…」

「カレーでも食べようか」

ここ1ヵ月間、私はカレーを食べてなかった。

2週間に一度は必ず、カレーを食べていた。

「いいですね。僕、カレー大好物なんです」と、E君の表情が緩んだ。

 

日本人の、大概の男はカレーが好きだ。

カレーを嫌いだという人に、会ったことが無い。

それに、どの街にも必ずカレーを扱っている店がある。

 

駅近くの「上等カレー」に入った。

私はここのカレーが気に入っていた。

カツカレーを食べながら、E君が言う。

「塚口に、美味しいカレーの店があるんです。知ってます?」

私が阪急沿線の伊丹に住んでいるのを知って、塚口を話題にした。

「噂に聞いたことあるけど。行ったことがないな」

愚妻から、その店のことを聞いたことがあった。

「アングルって、いう店なんです。ここのは癖になりますよ」

E君の前職は神戸にある新聞折込の会社で、阪神間を車で営業していた時、通っていたという。

 

この話をしてから、3年が経った。

E君は昨年退社したが、ずっとこの店のことが頭から離れなかった。

気になっていたが、なかなか行く機会が訪れなかった。

 

先週、ついにその機会がやってきた。

愚妻と塚口へ、買い物に行くことになった。

塚口駅前のビルの中に、その店はある。

1時半を過ぎていたが、カウンターだけの店内は満席だった。

店内の椅子に座って、待たされた。


カレーアングル

 

こげ茶色を基調にした、シックな店づくり。

U字型のカウンターの中に、コック帽の男性と二人の女性が忙しそうに動いている。

客たちはカレーを黙々と食べている。

みな、カレーを味わいに来たぞという雰囲気だ。

辛さの神秘に、祈りを捧げている風情でもある。

 

待っている間に、メニューを渡された。

特選カレーだけ、大きく写真入りで載っている。

995円と少し高めだが、やはり「特選」の文字に惹かれた。

席に着くと、特選カレーをふたつ注文した。

 

ふたりのウェイトレスはアラフォー(?)の美人。

どうでもいいことだけど、注文を聞いたウェイトレスの犬歯が1本抜けていた。

 

他の客が食べているのを見まわす。

ちょっと見栄を張って、特選カレーを注文したことに後悔する。

何故なら、みんなが食べているのは、840円のビーフカレーだった。

ビーフカレーが定番のようだ。

やはり、定番を食べないと、店の特徴が掴めない。

 

特選カレーはビーフカレーと違って、ご飯とカレーが別々になっていた。

カレーのルーが、あの「魔法のランプ」のような容器に入っている。

「グレイビーボート」という容器だ。

高級感を醸し出す。

庶民の食べ物になったカレーを、少し高みに持ち上げている。

 

幼い頃、百貨店の食堂で見たカレーはこのスタイルだった。

カレーに少しだけのルーをご飯に掛けて、食べる。

ご飯の上のルーが無くなると、「魔法のランプ」からルーを注ぐ。

大仰で上品な食べ物だった。

 

余談だが、会社に入社した頃、琵琶湖ホテルで12日の営業研修があったのだが、昼食時にカレーの食べ方という講習があった。

どんな講習だったか覚えていないが、バカバカしい程大げさで苦笑いだった。

 

固形のルーが販売されてから、庶民の食べ物になった。

さらにボンカレーのようなレトルトカレーが出来て、ジャンクフードの様相を呈してくる。

話はそれるが、ボンカレーのCMは着物を着た松山容子。

「琴姫七変化」の主演で一世を風靡した。

レトルトカレーの登場を経て、カレーは国民食に成長していく。

 

品性に欠ける私は、魔法のランプに入ったカレーのルーを、すべてご飯の上にぶちまける。

となりの愚妻は上品にも、少量のルーをご飯にかけて、口に運ぶ。

 

なかなか、濃厚な味だ。

四角いビーフの固まりが、口の中でとろける。

辛さもちょうど良い。

食べ終えるころには、額に汗が噴き出していた。


特選カレー

 

以前友人と飲みに行った際、我が家のカレーの自慢話になった。

60歳を過ぎた男三人が、加齢臭を漂わせながらカレーを話題にしていた。

それぞれの家庭には、それぞれのカレーの味があるようだ。

 

我が家のカレーは、シメジと牛肉しか入れない。

(私は玉ねぎが嫌いなので、愚妻は玉ねぎをエキスにして入れている)

結構、気に入っている。

ちょうど、ここのビーフカレーに似ている。

 

こんど来る時は、特選じゃなく、普通のビーフカレーを食したい。

author:金ブン, category:グルメ, 11:30
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食の安全
 以前、こんな会話を聞いた。

 

若い社員が賞味期限の切れたコンビニ弁当を食べている。

「おい、大丈夫か、お腹こわすぞ」と、同僚が心配して言う。

若い社員が応える。

「大丈夫ですよ、防腐剤がたくさん入っていますから」

 

もう20年前になるだろうか、得意先のMさんが弁当屋を始めた。

宣伝用のチラシを作ってほしいと言われ、私は弁当屋の調理場を訪ねた。

調理場にはたくさんの弁当が並べられていた。

Mさんが言う。

「コンビニ弁当というのはな、長持ちさせるために防腐剤をシャワーのようにかけるのやで。うちの店の弁当はその点、一切防腐剤を使ってないから」

その当時、防腐剤の発がん性が話題になっていた時期で、私はコンビニ弁当を食べる気がしなくなった。

(今現在のコンビニ弁当がどんな種類お防腐剤をどれだけ使っているのか知らない)

 

日常、私たちが口にする食べ物は安全なのだろうか。

そんな疑問を持った体験がもうひとつある。

 

高級茶房といわれる喫茶店でコーヒーを注文した時のことだ。

コーヒーとともに、濃縮ミルクが入った陶器のピッチャーが出てくる。

ピッチャーは冷蔵庫から出されたもので、冷えている。

当然だろう、濃縮ミルクは外気の暑さですぐに傷んでしまうのだから。

ミルクを入れ終わると、ウェイトレスが「これ、よろしいか」とか言って、ミルクピッチャーだけを引っ込めてしまう。

何故なら、濃縮ミルクはコーヒーより値段が高いので、過度に使われても困るのだ。

 

ところが、である。

ドトールやマクドナルドなど、コーヒーが安価な店に行くと、ミルクは取り放題。

それに、外気に触れるところに、ぞんざいに置かれている。

不思議だった。

 

しかし、謎は解ける。

あれはミルクではないのだ。

植物油(なたね油)に水を加える。

水と油は分離するので、食品添加物の乳化剤を混ぜる。

それに、増粘多糖剤でとろみを付け、カラメル色素で着色し、日持ちを良くするためにRH調整剤を加え、香料でクリームの香りを付ける。

 

こうして、何種類もの食品添加物が使われて、コーヒー用のミルクは出来上がる。

冷蔵庫に冷やす必要もないし、安価なので取り放題なのだ。

使われている食品添加物は短期的に身体への影響はないだろうが、長期的に使用されることで、身体にどんな影響を及ぼすのか分からない。

 

先日、中学の女友達が営んでいる鮨屋へ行った。

同窓会の際に、経営する鮨屋の場所を聞いていたので、友人ふたりで訪ねたのだ。

「私の店の寿司は、ネタが新鮮で美味しいのよ」と、盛り合わせのにぎり寿司を出してくれた。

そして、「そのマグロはしばらく置くと、色が変わるのよ」と、友人は鮮やかな紅色をしたマグロのにぎりを指さして言う。

「スーパーで売っているマグロも鮮やかな色しているやろ。あれは時間が経っても変色しないの。何故ならね、紅色が長持ちするように、食品添加物が塗ってあるからよ。私の店のマグロはそんな小細工をしてないから、時間が経つと変色するのよ」

 

食品添加物はいろんな食べ物に使われている。

スナック菓子には、焼きそば味とか、プルコギ味とか、様々な味付けの商品が売られている。

それらの味付けも、ほとんどが添加物のなせる技なのだ。

ちり紙をバナナ味にするのも、添加物の粉をかけるだけで簡単に出来てしまうそうだ。

 

食品添加物を摂取し続けると、人間の身体は大丈夫なのだろうか?

厚生省は、科学的な実験に基づいて安全性を評価し、認可しているとする。

本当に信用できるのか、疑わしい。

日本人の死亡原因の1位が癌であるのを考えると、人工的な食品添加物に起因するのではないかと思ってしまう。

 

スーパーやコンビニで販売されているものには、たくさんの食品添加物が使われている。

普段生活する上で、それらは避けて通れない。

一体、どうすれば良いのだろう。

なんか、絶望的な話になってしまった。

 

あるサイトに、その防衛策が載っていた。

 

幼い頃、母親によく言われたことだ。

「よく噛んで食べなさい」

人間の唾液には、毒物を分解する酵素が含まれている。

30回噛むと、食品添加物や残留農薬の毒性を薄めることが出来るという。

 

私の家庭菜園は、化学肥料や防虫剤を全く使わない自然栽培だ。

ハクサイ、キャベツには虫が食って、ところどころに穴が空いている。

外見は悪いが、虫が食べるほど安全なのだ。

そうは言っても、自分が作る野菜だけで暮らしていける訳もない。

 

化学肥料や食品添加物がふんだんに使われた食べ物を口にしながら、いつしか、癌で死んでいくのだろう。

早飯食いの私には、とても30回も咀嚼することは不可能だ。


野菜の収穫

author:金ブン, category:グルメ, 16:40
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